第277話 ギリギリになってから言うなよ

我が家の次男坊は受験生。そろそろ私立高校の出願が始まるころである。


冬休みが終わってから、「高校への出願、どうなってるんやろう?」と少し心配はしていたのだが、次男坊はケロリと学校に通っていたので、勝手に「もうしばらく先かなぁ」と思っていた。


昨日は金曜日、学校から帰ってきても、のほほ~んとしていた次男君。午後7時ころになって、

「あっ!そうそう、これ、手続きせなあかんねん。『月曜日に持ってくるように』って、先生が言うてはった」

と言って、私立高校出願手続き用の書類をカバンから取り出した。


「はぁ?何やってんのん!」と妻の逆鱗に触れたようである。


「これ、いつもらったん?」

「月曜日」

「なんで金融機関も閉まっているこんな時間に出すのよ!」


私もびっくりである。私たちのころは、受験料は郵便局で為替にして願書と一緒に提出するか、銀行払いであったように記憶している。金曜の夜に持ってこられて、月曜日の朝に提出、なんていわれると如何ともしがたい。


ただ、時代が進んでありがたいことに、出願の手続きもネットで、受験料の支払いもカード払い、コンビニ払いで行なうようになっていた。


慌てて自宅のPCとプリンタを立ち上げ、出願手続きを行ない、受験料は私のカードで支払った。


「あんたなぁ、今の時代やから何とかなるけど、俺の時代やったらアウトやで。ちゃんと親に出すべきものは出してぇな」と次男にぼやき説教。


とりあえず、無事に出願できてよかった。ホッとした。妻と私が出願のことでこの数日ヤキモキしていたこと、次男は気づいていなかったようだ。難儀なものである。

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