第274話 「冬至」を過ぎて

冬至を過ぎて、まだ1か月も経たないが、何となく日中が長くなってきたような気がする。朝はまだ暗いけれども、夕方、日の沈むのは、少し遅くなってきているようだ。冬至直前は、大阪では17時ころになるとずいぶん暗くなっていたが、昨日は17時ころになってもまだ明るかった。


朝日の昇るのは、まだしばらく遅い時間が続くのだろう。寒さもこれからが本番のはず。


今朝も夜明け直前の薄明りの中を出勤してきた。西の空に満月が浮かんでいた。


以前にも書いたが、生まれ育った大阪では、私はこの季節の早朝が一番好きだ。枕草子に「冬はつとめて(早朝)」とあるが、本当にその通りだと思う。凛とした空気の中、車を走らせていると徐々に夜が明けてくる。白衣に着替えて回診をする頃には、自宅を出て30分ほどしかたっていないのに、朝のまぶしい光が病室の窓から射し込んでいる。


仕事でバタバタとしているうちに、季節は動いて春が来るのだろう。もう太陽は春の来訪が近いことを告げてくれているように思う。

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