第106話 在来線特急「かもめ」の引退

西九州新幹線の開業に伴い、在来線特急「かもめ」が今日で廃止となるそうだ。子供のころからなじんできた特急「かもめ」が、新幹線に名前が引き継がれるとはいえ廃止となるのは何とも寂しい。


かもめには3往復ほど乗っただろうか?学会のために1往復、後は長崎の友人の結婚式のために2往復。特急王国JR九州には、医学生時代大変にお世話になった。ちょうど私が医学生を終える頃に、鹿児島新幹線が鹿児島中央~新八代間で部分開業した。その当時のことを少し思い出してしまう。今回も部分開業、鹿児島新幹線も部分開業であった。それまで博多と西鹿児島を結んでいたのは伝統ある特急名である特急「つばめ」だった。飛行機があまり好きではない私は、地元との往復に鉄道を使うことが多かった。当時は割引切符があり、つばめと新幹線で27000円ちょっとだったと記憶している。その当時は寝台特急「なは」も新大阪~西鹿児島を結んでおり、そちらを使うと1000円ほど安かった。在来線特急「つばめ」は博多と西鹿児島を4時間5分で結んでいた。高性能特急でも、今は肥薩オレンジ鉄道となっている川内~八代はずいぶん時間がかかったことを覚えているが、その分、海岸線に沿って走り、不知火海を眺めて走っていた。部分開業で西鹿児島~新八代が2時間近くかかっていたのが40分で結ばれることとなり、新幹線の実力を思い知らされた。


鹿児島新幹線は全通し、かつては西鹿児島から博多までの時間で、新大阪まで到達できる。その一方で「なは」はなくなり、伝統ある名前である「つばめ」は九州新幹線の中だけでの名前となってしまった。これは少し寂しい。新大阪までやってくる鹿児島新幹線は、かつて東京~西鹿児島を結んでいた特急「はやぶさ」の名がふさわしいと思っていたが、「はやぶさ」は東北新幹線に引っ越してしまったのも残念である。


グダグダと書いてしまったが、今日で在来線特急「かもめ」が廃止。お疲れさまでした。私が九州にいた当時、博多駅で見た「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の3つの特急が一編成となっていた長崎本線独特の特急、今も懐かしく思う。

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