第67話 戦争が終わった日、戦争が続いている今日

今から77年前の今日、第二次世界大戦が日本の無条件降伏で終わった。たくさんの一般市民が空襲で命を落とし、日本兵は戦闘だけでなく、飢餓や疾病で命を落とした戦争だった。特攻隊など、命を軽視した作戦もあったが、それ以上に、南方戦線の無謀な作戦で飢餓やマラリアなどの疾患で命を落とした日本兵が多いことに呆然とするばかりである。


「勝てば官軍」の言葉がある。開戦については日本には日本の唱える正義があり、相手となったアメリカ側にも彼らなりの正義があるのだろう。どちらが正しいのか、などというのは歴史学者に任せたいと思うが、結局、「戦争」という手段を選択したという点で、時の為政者は選択を間違えた、と言わざるを得ないのだろう。


今日は先の大戦で命を落とした人たちの慰霊の日、であるのと同時に、今後も国際間のトラブルに対して「戦争」という選択を取らないように、という誓いの日でもあるのだろうと思う。


ロシアの、ウクライナに対する侵略戦争は今も続いている。侵略されれば、国土を守るために戦わざるを得ない。ウクライナだけではなく、世界のあちこちで内乱や治安の悪化が続いている。現在の国際情勢を考えると、日本についても、防衛力の強化は避けられないだろう。自国が戦争を拒んでも、相手が理不尽に侵略してくれば、自国を守るために戦わざるを得ない。アメリカの「平和」に対するアプローチが“Balance of Power”であり、圧倒的軍事力をもって平和を維持する、というものであったが、現在の世界は悲しいことに、アメリカのアプローチが国家間の対立では極めて有効であることを示唆している。しかしながら、テロリズムに対しては、それは無力であることも現実が示している。


John Lennonの“Imagine”の最後の歌詞、”I hope someday you’ll join us. And the World will live as one.” 彼の言葉がいつか実現することを願いながら、今日という日を過ごしている。

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