第2話 湧水

私の記憶では、琵琶湖疎水ができるまでは、京都は水が豊富な街ではなかったように記憶している。とはいえ、平安京の時代から鴨川が流れ、それほど水に困ることもなかったのかもしれない。


6/18に見た、NHK総合の番組「ブラタモリ」。今回は川を中心に番組を組み立てていた。鴨川、賀茂川の上流である貴船川、その源流は貴船神社の湧き水だそうだ。高い崖のところからこんこんと湧き出る水が源流となっているとのこと。長い時間をかけて地中でろ過され、湧き出た水はとても美しい。いろいろな川の源流もおそらくこのような形で始まっているのだろう。以前、これもNHKで見た番組だったと思うが、アマゾン川の源流、到達困難な場所だったが、ドローンで撮影(便利になったものだ)すると、アンデス山脈の崖から湧き出た湧き水の滝が源流だったように記憶している。


さて、今日(6/19)は、「答え合わせ」というわけではないが、下鴨神社と糺の森を散策するために、妻、次男君とお出かけした。阪急、京阪を使って出町柳まで。出町柳には何度か来たことがあるし、鴨川の飛び石も子供たちと渡った記憶はあるのだが、下鴨神社には私は足を踏み入れたことがなかった。鳥居をくぐり参道を歩くと、楓の木がたくさん植えられている。たぶん、紅葉の季節はきれいなのだろう。参道を進んでいくと右手に細い小道があり、案内の看板には「カラスのナワテ」と書いてある。カラスは神様の使いである八咫烏を指しているとのこと。「ナワテ」は細い道の意、とのこと。それは良いのだが、「下鴨神社七不思議のひとつ」と書いてある。案内の看板を読んでも、いったい何が「不思議」なのかさっぱりわからなかった。


便利な時代に住んでいる私は、スマホを取り出し、「下鴨神社の七不思議」を検索した。すぐに七不思議がリストアップされたが、そのうちの3つは確かに「不思議」だ、と思うことだったが、残りの4つは何がどう不思議なのか、さっぱり理解できない。まぁ、深掘りしてもしょうがないのでスマホを閉じた。


下鴨神社は大盛況で、結婚式もたくさんの予定が入っていて、お宮参りに来られているご家族も散見された。境内に足を踏み入れると、結婚式の記念写真を撮影していたり、お宮参りの記念写真を撮影していたりとにぎやかだった。式の控室から、列を組んで本殿に向かう新郎新婦とご家族の行列も見かけた。神職さんの後には新郎新婦が。その後ろに親族がズラーッと歩いてこられたが、新婦さん、白無垢できれいなのだが、緊張して顔がこわばっておられたのだろうか、表情と目つきが少し怖い印象だった。一世一代の行事、そりゃぁ緊張するわなぁ、と思った次第である。


境内を散策し、葵祭で斎王代が禊をする小川(御手洗川と言ったか?)も見学した。この小川、土用の日だけ、地下から湧き水がわき出すそうで、地中から湧き出し、盛り上がった水がお団子のように見えるので、このお団子様の湧き水にちなんで「みたらし団子」ができたそうである。


この小川も、斎王代が禊をする場所のすぐ上流に祠があり、その奥から水が湧いていた。この小川もきれいな湧き水だった。時期によって水量が変わるのだろうか?湧き出したばかりの水は、確かに禊にふさわしいと思った。


大分県の竹田市も、鹿児島県の吉松町(今の湧水町)も湧き水で有名だったが、京都市内でも、湧き水は大切な役割を今でもしているのだなぁ、と思った次第である。


大阪市内でも、四天王寺の方に湧き水が出ていたように記憶している。上町台地の段差のところにあるお寺だったように記憶している。水量は多くはなかったが、水の湧くところはやはり神聖な場所であったのだろうと思った。

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