第一話
みなさん!もしかしたら私が異世界転生する瞬間を目撃できるかもしれません!そうです!人生の緊急脱出装置こと、異世界転生をする時が来ました!はい、パチンコで5万負けました。角の生えた紫色のロボットにボコボコにされました。もう、これは転生でしょう。
というわけでまずはどう転生するかです。これ、めちゃくちゃ大事です。この◯ばの主人公のようなマヌケな転生方法は嫌です。そうだな、どうせなら小さい子供を助けて転生とかがいいな。よし、それでいきましょう。
とりあえず小学生の下校時間を狙って車通りの多い道路前で待機。元気の良さそうな子供を見流さないよう凝視しておきます。はい、ここで警察から職務質問を受けました。政府の犬が舐めやがって、転生したら関係ないので職務質問は拒否しました。結局小一時間警察と揉めたので子供を助けての転生は断念しました。あと、警察からは厳重注意されました。政府の犬が舐めやがって…。
まあ、他にもカッコいい転生方法はたくさんあります。異世界からの召喚を待ちます。今日はめちゃくちゃ異世界に召喚される気がしてならないので、服装をばっちり決めます。そうだな、ワイルドな感じが欲しいので袖は千切ろうかな、髪の毛もワックスで少し逆立てておきましょう。傷も欲しいんで右目の上あたりにマジックでつけとこうかな、腰に長めの布を巻いておいて靡くようにしときましょう。
完成…。あー、完璧だわこれ。こんなんいつ召喚されても恥ずかしくないですわぁ!あ、召喚後にあちらの世界で見せびらかす為に何かポケットに入れておきましょうか。ライターとか役に立ちそうなんで持っときましょう。私はタバコを吸わないので、コンビニでライターを買ってくることにしました。
コンビニまであと少しという所、ここで2度目の職務質問。政府の犬が舐めやがって。「またお前か…」みたいな顔をされました。こっちのセリフですがね。例の如く職務質問を拒否したら強めに引き止められて、結局最寄りの交番まで来ました。誤解は晴れましたが完全に変態扱いでとても不快です。まあ、この後すぐ召喚されるんで全然いいんですけどね。さあ!準備は整いました!あとは自宅待機です。召喚待ちです。ばっちこいやぁ!
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いつものアラームで目が覚めた。寝違えたみたいで首がバカ痛い。顔洗おうとするとそこには愚かなゴミ人間(右目の上に傷アリ)がいた。
あー、もうマジで腹立つ。コンビニ行くだけで転生できるやつもいればこんなに受け入れ態勢バッチリでも転生しないんだな。
髪の毛と服装を元に戻して大学に向かう。おそらくマジックで書いた傷をイジられると思うので行くまでの電車の中で言い訳を考えるとするかぁ。
みなさんもパチンコと政府の犬には気をつけてください。全く、異世界転生ずるすぎるよな。
異世界転生ずるいよね! やじじう字 @yaziziuzi
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