第12話 仙狐とおうちであまやどり
今、私はなんと先生の家にいます!
もともと先生と一緒に参考書などを買いに行ってたのですが、
急な雨でお互いずぶ濡れになって偶然近くだった先生の家に避難したのでした。
先生に風邪をひいちゃいけないからと勧められてシャワーを浴びる。
先生のおうちで裸になっているって考えるとドキドキしてしまいます……
私は服を乾かすために着替えを借りました。
先生の匂いがする。
私は必死に興奮を抑えながら、先生の服を着ます。
あー、なんかヘンタイみたい……。
そして代わりばんこに先生がシャワーを浴びに行きました。
私は部屋にあった雑誌を手に取り、パラパラめくってみる。
そこには恋愛についての特集が載っていました。
ええっと、なになに? まずは自分の好きな人の事を褒めましょう。そして、好きな人に自分をアピールしていきましょう? 私は先生の事を頭に浮かべてみます。
えへへ、無理だよぉ〜。
私は恥ずかしくなって、思わず顔が赤くなってしまう。
先生のどこが好きなのかな。
優しいところかな。カッコイイところかな。それとも可愛いところとか。
先生の素敵なところを考えてたら止まらなくなってきちゃいました。
私は先生の事を考えているだけで幸せな気分になれるんです。
そしてしばらくすると、先生が戻ってきました。
「あれ、水無月ちゃん何読んでるの?」
先生は私に話しかけてきてくれました。
「これは、ちょっと気になっただけですよ!」
私は誤魔化すように言い訳をする。
そして気づく、湯上りの先生がすごいカッコよくて色っぽいということに……!
チラッと先生を見ては誤魔化す為に雑誌に目線を戻す。
そんなガッツリ見たら失礼だって分かっているのに何度も繰り返してしまう……!
「ねえ、水無月ちゃん。さっきから何をしてるの?」
先生は不思議そうに聞いてくる。
私は慌ててごまかそうとする。
「そ、それはですね!その……」
しかし、先生に見つめられて私は何も言えなくなってしまう。
そんな私を見て先生は何かを察したのかニヤッと笑みを浮かべる。
「もしかして僕の事見てたの?水無月ちゃん」
先生は私をからかい始める。
「ち、違いますよっ!?」
私は否定するが、先生は信じてくれなかった。
「本当かなぁ?」
先生は意地悪な顔をしている。
「ほ、ほんとうに違うんだもん!!」
「ごめんね、真面目な水無月ちゃんがあたふたするの可愛くて、本当は寂しかったんだよね。」
先生は優しく微笑んでくれた。
ああ、もう、好き♡
私は先生に引っ付く。
「もう……いじわるしないでくださいよ……」
私は拗ねたような口調で言う。
「ふふ、ごめんね」
先生は笑いながら私の頭を撫でてくれる。
私は気持ち良くて、ついつい甘えた声を出してしまう。
「んぅ……せんせぇ……」
「どうしたの?」
「もっと、してほしいです……」
「仕方ない子だね。いいよ、もっと撫でてあげる。おいで?」
先生が両手を広げている。
私は我慢できずに飛び込んでしまった。
先生の胸の中に飛び込むと、先生はそのまま抱きしめてくれた。
私はそれが嬉しくて先生の胸に顔を押し付けながらスリスリしてしまう。
ああ、幸せすぎてどうにかなっちゃいそうだぁ。
それから私はしばらくの間、先生と抱き合っていた。
先生は私の背中をトントンしてくれている。
まるで子供をあやしているようだ。
私は少し不満だったけど、心地よかったからそのままでいた。
実際、先生が私の事を子供としか見てないからこんなに甘やかしてくれるってのは分かってるから……
いつも家で一人でいるからこうやって連れ出してくれたり、甘やかしてくれたりしてるのは分かってる。
でもそんな優しい所も好きなんです、先生。
だから意を決して私も隠してたことを告白する。
「先生!実は私……仙狐なんです!」
いままで人間だと思ってた相手が異種族だったなんてびっくりするだろうし、
なにより先生は他の異種族から洗脳や催眠をかけられていた痕跡がある。
抵抗感もきっとつよい……
私は先生に嫌われるのが怖くて目をぎゅっとつむる。
そしたら先生は私の頭を撫でて、
「実はね…知ってるんだ水無月ちゃん」
「ど、どうしてですか?」
私が聞くと先生は困った顔をしながら答える。
いつも私は仙術でケモミミや尻尾を隠してたけど、どうやら先生に褒められたり、甘えたりしてると術が解けてたらしい……
先生はずっと気づいてたみたいだけど、あえて言わなかったみたい。
そして今もケモミミや尻尾が出てるって……
私は恥ずかしくて顔を隠した状態でうずくまる。
「うううううううう」
先生は苦笑しながら言う。
「ごめんね、僕がもう少し早く言ってあげれば良かったんだけど、隠してるみたいだったからさ・・・」
私は先生の言葉を聞いて顔を上げる。
「わ、わたしのこと嫌いにならないんですか?」
私は恐る恐る聞いてみる。
「なんで?どんな水無月ちゃんでも大好きだよ」
先生は即答した。
「ほんとうに?」
「うん、本当だよ。」
先生は真っ直ぐ私を見つめて言った。
異性としての好きじゃないってのは分かってる。
それでもありのままの私を好きって言ってくれて嬉しい。
私は思わず涙が溢れてくる。
「先生……ありがとうございます」
私は先生に泣きついた。
先生は私の事を受け止めて頭を撫でてくれる。
「大丈夫、僕は何があっても君の味方だよ」
先生の声はどこまでも優しかった。
「先生……これからも一緒に居てくれますか?」
私は先生の顔を見て問いかける。
「もちろん、いつまでも一緒さ」
先生はそう答えてくれた。
「えへへ、先生だいすき♡」
私は先生に思いっきり抱きつく。
「もう、水無月ちゃんは甘えん坊さんだね」
先生は私を抱きしめ返してくれる。
私は嬉しくてついつい先生の胸に頬ずりする。
尻尾だってかってにぶんぶん振ってる。
「んぅ〜♪」
私は幸せいっぱいで、このまま死んでもいいかもとか思った。
しばらくすると、服も乾いたから帰ろうかと先生が提案してくる。
私は名残惜しかったけど仕方なく帰ることにした。
帰り道、私たちは手を繋いで歩いていた。
私はこの時間が永遠に続けばいいのになと思いながら歩く。
いつか絶対先生のお嫁さんになるんだから!
その決意を胸に秘めながら。
現代で家庭教師をしたら性的に肉食文化の異種族の子達からものすごく迫られている ヴぃーたー @bvnj789
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