第4話 校内テストと全国模試で結果を出す

俺がいじめを打ち破るために次に切った手段、それは「勉強」だ!

勉強の次に運動や人脈ではなく、必ず後に勉強だ。

なぜなら、勉強は落ち着いた空間や集中力を要する。

いじめがひどい時に勉強なんてろくに手につかない。

だからまず、部活を始めて心身ともに健康状態を作り出す。

勉強はそれが出来上がってからだ。


学校の授業が終わり、部活をかんばり、帰宅して毎日1時間、欠かさず勉強した。

日曜日は、部活もない。本当なら友達と遊びに出かけたかった。

でも、俺は決意した。1年後、いや半年後には、結果を出して、今度こそ野原たちを見返す!


勉強を続けている間、時たま野原や金子が面倒臭い絡みを仕掛けてくるが、

そこは部活で養った忍耐と人脈とその部活の過酷なトレーニングで、

些細な悩みを汗と一緒に吹き飛ばす。

スマッシュショットでいじめの理不尽さに対する怒りを打ち付ける。


そして半年後、夏明けのテストラッシュを終えた。

その結果、英語のクラスはCクラスからAクラスへダブルで昇格。

より高度な英語の授業を優秀な生徒と教師と行う教室へ進めた。

全国模試では、軒並み偏差値50以上に。

特に得意科目だった歴史は、偏差値60に。

この結果は、校内の掲示板に張り出され、俺の名前が広まった。


この努力の結果、どうなったか。

ますます勉強が楽しくなり、勉強する習慣がついた事以外に、

勉強ができる同級生に声をかけられ、そこでまた人脈が広がった。

そして、学校側、教師たちも俺の事を必要以上に味方するようになった。


気がつけば年の瀬。

俺はすっかり野原たちのことを忘れていた。

意識して探すと教室の隅の方でゲームかなんかしてるようだ。

今度は誰をいじめてるのかしてないのか、よくわからないが、どうでもいい。

俺には、爽やかな部活仲間、頭脳明晰な優秀な同級生がいる。

頼りになる部活の先輩やコーチだっている。

勉強もどんどんできるようになった。

俺は、もはや野原たちが入学早々いじめてきたことに感謝すら覚えている。

あの体験がなかったら、今頃俺は、勉強もスポーツもできない、

友達の少ない陰気な少年だっただろう。


いじめはもちろんあってはいけない。

よく、いじめられる側にも原因はあると耳にする。

でも、そこにどんな理由があっても、

自分より弱いものを攻撃する権利は、誰にもない。

それが、集団で個を攻撃するなら尚更なことだ。

俺は、たまたま家族が全力でバックアップしてくれたから、今日まで生きてこれた。運が良かった、努力だけでどうこうならないこともある。


そんなことをふと思いながら、俺は今日、都内私立某K大学の政治経済学部で学生をしている。次の目標は、大手総合商社に入社し、世界をまたにかけて仕事をすることだ!

いじめは、乗り越えられない壁ではない。

むしろ、大きなチャンスにだって変わる。

大切なのは、諦めない心と根性。

正しい戦略の取り方、順番。

そして、家族の支えである。

これが、俺のいじめ克服方法だ!

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いじめが俺を強くした カンツェラー @Chancellor

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