第19話 結婚3年目①
結婚3年目。この年は、私にとって決定的に人生を変えるきっかけになった。
結婚してから3年目の夏。
当時私は、2つの職場を掛け持ちで働いていた。
1つは週4、1つは週2。合わせて週6日働いていた。
そして、ある資格を取るため、週末はスクーリングで学校へ。
そして、ふと思い立ってパーソナルジムに見学に。そして、即サイン。
週1でトレーニング、ケトジェニックダイエットが始まった。
つまるところ、週7日、ほぼ休みなく稼働していた。
その当時の私の手帳は、予定でぎっしり埋め尽くされていた。
ダブルブッキングもよくあったり、〇〇に行って、▲▲に行ってから、□□に行く、みたいな無謀な予定も入れていた。
そんな忙しい中でも、家事も手を抜かずにやれていた。
つまり、私は「デキる女、デキる妻」と思いながら過ごしていた。
私は完璧な人間だ、なんて恥ずかしいことすらも考えていた。
自信満々とでも言えるだろう。
今思えば、完全に上がっている状態(≒躁状態)だったと思う。
そんな状態が3ヶ月ほど続き、秋に入った頃、だんだんと仕事に行くのがしんどくなってきた。
そして、「体調が悪くて、、」と休むことも増えてしまった。
パーソナルジムにも行けなくなっていた。
仕事も休みがち。
そして、食欲がなくなって、布団に入りがちになっていた。
そんな風にして1ヶ月くらいは仕事に何とか行けていたが、ついにパタリと力尽きてスイッチが切れたかのように何もできなくなった。
まずは、食欲。
食べられるものが限定的になった。
最初は、コーヒーとチーズ。外国人か、とツッコみたくなるが、コーヒーとチーズくらいしか受け付けなくなった。
そして、次は、ブラックサンダー。
起きて、ブラックサンダーをかじりながら水を飲んで、一服するのが日課になった。
ブラックサンダーと、デパ地下で売っているような100gのサラダくらいしか食べられなくなった。
私の身体は、ブラックサンダーと100gのサラダで維持されていたのだ。
もちろん、仕事なんて行けない。
休職した。
体重は、5〜6キロ落ちた。
でも、痩せていく自分が嬉しくて、服を買い替えたりした。
しかし、偏った生活は、徐々に私の身体を蝕んだ。
まず、抜け毛が増えた。
爪が欠けやすくなった。
肌が荒れるようになった。
疲れやすくなった。
生理が来なくなった。
でも私は太ることを気にして、食生活を変えようとはしなかった。
というか、ブラックサンダー教の信者にでもなったかのごとく、ブラックサンダーしか食べられなかった。
あとは、クラッカーくらい。
カロリーをとても気にしていた。
爪や髪にはオイルを。生理には漢方を、といった具合に、間違った対処をしていた。
偏った生活を正さないとどうしようもないのに、当時の自分は、思考も偏っていた。
まさに、「ガチ鬱」だった。
その頃には、もう冬だった。
私の誕生日がやってくる。
冬生まれだから「ふゆさん」なのだ。
そして、誕生日に決定的な出来事が起きる。
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