第18話 結婚2年目
結婚2年目の私は、少しは土地に慣れたものの、仕事を転々としていた。
もともと、仕事は転々としがちだった。
2〜3年も続けばいい方だった。
鬱っぽくなっては仕事に行けなくなって仕事を辞め、回復してきたら転職活動。仕事が決まって、よし頑張るぞと躁モード。少し安定しつつ、数ヶ月して、だんだん鬱っぽくなってくる。
その繰り返しで、職場が二転三転していた気がする。
結婚1年目のような大ゲンカはなかったけれど、やっぱり躁モードと思われる時期にはイライラしたり、いらない買い物をしてしまったり。
貯金は一向に捗らなかった。
イライラして、壁に穴開けちゃったり。
ドラゴンボールみたいな世界。
鬱モードになれば、躁モードでやらかしたことを悔いて泣いてばかり。
自分を大切にできない行動も増えた。
オーバードーズ等々の自傷行為。知らない街を徘徊してみたり。出会い系アプリをしてみたり。
私にとって、見ず知らずの人と会うことは、広義の意味での自傷行為なのだ。
そんな私に、きっと彼も疲れていたのではないかと思う。
躁になれば元気満々、鬱になれば泣いてばかり。
自分のパートナーがそんな風にジェットコースターみたいな人だったら、きっと疲れるだろうなと思う。
それでも、私は自分のことを双極性障害だなんて思ってなかった。
生理前だから、とか、こんなことがあったせいだ、なんてあれやこれやと心当たりのあるものに理由を付けていた。
ただ、同じ量の睡眠薬を飲んでも、よく眠れる時と目がギンギンに冴えまくる時があるのは不思議に思っていた。
主治医に言うと、「じゃあ薬変えましょう」と薬を変えられるだけで、診断名は変わらずだった。
だから、あれやこれやと理由を付けていた。
「○○のせいだから、こうなんだ」って。
自分が病気だから、なんて思ってなかった。
そのうち、薬なんて飲まなくてもいいように、漢方薬とかで何とかコントロールできるようになる。
そんな風に思っていたのに。
結婚2年目は、自分の気分の波に翻弄されながらも、何とかやり過ごしていた感じだった。
仕事は続かない。
夫婦仲はまぁまぁ。
彼がうまく距離を取ってくれていたのではと、今となっては思っている。
そして、人生を変えたと言っても過言ではないであろう、運命の結婚3年目に突入。
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