はっきり申しますと、SF素養だけではなく現実にシステム開発の経験がある人以外は、すんなり読む進めることは困難だと思います。オンプレ、ペイロード(※本編ではロケット用語として)、アセンブリくらいの言葉がパッと理解できる方に向いています。また、宇宙やロケット、XR系にも多少の知識があることを前提とした、なんというか、非常に読む人を選ぶ小説です。
小説と申しましたが、ものすごく面白いエンジニアの手記、に近い態様です。しかしながら、開発に関する手触り感のある描写は元より、未来予測(フォアキャスト)に関しては巷のSF小説群よりも遥かに繊細で説得力があります。(それを考えたことがない方にはチンプンカンプンだと思います)
本質は筆者の卓越した(かつ難解な)フォアキャスト、その周りを天才少女たちのロマンと百合が飾り付けている、そういう構造です。そして、そのロマンにもきちんとしたカタルシスがあります。
というわけで、自信がある方、ぜひご一読を!!!