最終回 ラストマーチ






    怖くないから終わらせるんだ

     気が付けば夜が近づいて    

    泣きながらでもすぐそこにある 

       終わらせるんだ 

       終わらせるんだ







「んんん!!」


「や、、やめろ!!!」


「デメェやっ、、、ゔゔあぁぁぁぁぁぁ!!」


小山「おい!村上!!大丈夫かぁ!!!」


村上「ぐぞぉ!!!ゔっ、、、腕がぁぁあああああああ!!!!」


??「やっぱり深夜は無敵だよなぁ。

何をしてもバレない確率が上がる。」


村上「デメェぇぇ!!!!!!!」


























村上「圭太このやろうぉぉぉぉ!!!!!」


















冬月圭太は両目を引き裂かれ、全身滅多刺し、

関節はすべて外され、アキレス腱切られ歩く事も出来ない村上と小山に向かって残酷な真実を告げる。



圭太「西川真由は殺す前にしっかり犯してやったよ。最初めっちゃ嫌がってたけどお前の名前出したら急に静かになってさww

全身ゆっくり舐め回したあとに関節外してさwwそれでも気持ちよさそうだったぞwww」


圭太は話を続ける


圭太「今まで殺した女は全員犯して殺した。

さすがに中出ししたら警察にバレるからさ、一応ちゃんと避妊はしたんだぜ偉いだろw

これはお前に対しての最悪の裏切りだよなぁw

こんな歌詞知ってるか?

" 絶望は大人になるための約束事。

裏切りは怪物になるための儀式 "

絶望も裏切りもお前ら2人に与えた、もう用は無いから死ねよ。」


そう言うと叫び続ける小山の喉元にナイフを刺し、奥の方まで捻るように刺しこんだ。


村上「なんだ!小山⁈⁈どうなってる今!!!!!」


圭太「うるせぇな。お前も死ね。」


村上「圭太てめ、、、、。」


村上の喉元から真っ赤な血が溢れ出す。

その時。


田中「動くな冬月圭太!!!」


川井「その刃物を今すぐ捨てろ!!」


田中「クソっ!!間に合わなかった!」


圭太「チッ。クソが。」


川井が圭太を押さえ込む。


圭太「これで終わりだと思ってるのか?

お前らはとんでもないミスをしてる

" 俺を " 捕まえる事はできない。」


田中「何を言ってもいいが詳しくは署内で聞こうか冬月圭太。」


田中と川井は圭太を車に乗せ署へ向かった。
















田中「さて。事件の全貌を話してもらおうか。


圭太「けっ、、刑事さん!ぼ、僕は!!」


田中「分かってるよ圭太君。

じゃあまずは我々が調べた事実から話そう。

村上君と小山君から君の話を聞き、君にも任意で話を聞いた後すぐに川井と2人で君の事を調べさせてもらった。君は中学、高校とイジメにあっていた時のトラウマから精神的に病み、実家のある山形県の精神病院に通っていたね。」


圭太「はい。」


田中「そこで君は " 解離性同一症 "

世間的にいう多重人格と診断されている。

この前の事情聴取を終えた後男女3人組に絡まれていたよね。あれはもう1人の君が作った友達なんだろ?君も気づいていたはずだ。

君はもう1人の自分がヤンチャ、暴力的な事に気づいていたが自分が本来憧れていたキラキラした生活を送っているように見えて放置していた。

少し話を変えるが、君のトラウマになったイジメというものに今まで関与してきた人たちが被害者になってる事に気づいた我々は村上君達が次の被害者になると思った。

だから村上君と小山君にGPSを渡していた。

だから現場が分かったんだ。」


圭太は沈黙している。


田中「君は自分自身が作り上げてしまった怪物を制御できなかった。今まで自分をイジメてた人たちが殺されていくことに抵抗はなかったんじゃないか?自分の意思では無いし、もう1人の自分が殺してるからいいやって思ってたんだろ?

だから5人を、、いや。15人以上だな?」


圭太は少しだけ顔を上げ田中の顔をじっと見つめた。


田中「君が山形を出る前に、中学、高校の君のイジメに関与したと思われる子達が6名殺された。そして君の家族全員も。

イジメてきた人間、そして自分の子がイジメにあっている事に気づいていながらも見て見ぬフリをした両親、弟がイジメられているのが恥ずかしくて目を背けてきた姉の3人が何者かに刃物で殺されている。

君はその時アリバイをうまく作り

猟奇的な殺人事件の唯一の生き残りを演じた。そしてまだ殺しきれてなかった

伊東茜と大田里帆を追って同じ大学に入った。すると村上君と小山君、真由さんにも目をつけられ殺害する人が増えて順を追って殺していった。そうだね?」


圭太「、、、僕はずっと1人でした。

その中で色んな感情が混ざった結果とんでもないモンスターを生んでしまった。

実はこのもう1人の自分の事を制御する事ができるんです。閉じ込めると言うか、でも普段の僕じゃ出来ないような事を彼は簡単にやってくれたのでずっと野放しにしていました。もちろん人を殺していても。

僕は僕自身に殺されたんです。

最初はイジメをしてたやつら、家族に心を殺されたと恨んでいました。

でも次第に僕の心を殺したのはもう1人の僕だということに気づきました。

本当は殺りたくない。でも悪魔の感情が先走ってしまい僕本人の心は死に、乗っ取られた。

そう思っています。」


田中「あぁ。刑務所に入る前に

まずしっかりカウンセリングをして自分自身を見つめ合い、それから罪を償いなさい。」


圭太「分かりました。」


川井「まず病院で検査を受けて

精神の安定が見られたらそこから刑務所だ。」


圭太「はい。」







































1週間後




田中「先生、冬月圭太君の様子は。」


医者「至って正常です。

もう1人の方の圭太君とも話しましたが

圭太本人に押さえ込まれるからもう出てくる事はないと言っていました。」


田中「そうですか。あ、あの。

ちなみに圭太君は左利きですか?」


医者「?、、いや確か前日記を書いているのを見た時は右で書いていたと思いますが。」


田中「そうですか。ならもう1人の圭太君が左利きか、、。先生ありがとうございます。

また何かあればご連絡ください。」




田中が去った後

田中の発言が気になった医者が圭太の部屋へ行き、質問をする。


医者「圭太君。調子はどうだい?」


圭太「あ、えぇ、お陰様でなんとか。」


医者「そうか。ちなみになんだが、

もう1人の君は左利きかな?」


圭太「、、、、、、。」





















圭太「いや、右利きですが。」












医者「そうか、、、。

ちなみにだが、君の人格はあの子だけか?

実はもう1人人格あるとか、、。」


圭太「いや、それは分からないですが

たまに記憶が無くなるんです。

もう1人の僕も言っていました。

一瞬だけ自分が何をしていたのか分からなくなる時があると。」


医者「そうか。もしかしたら人を殺したり、痛ぶっている時のショックから断片的な記憶が無くなっているんだろう。たまにあるんだショックからその時の記憶だけ無くなる事が。」


圭太「そうですか。」


医者「じゃあ仕事に戻るよ、また何かあればすぐ言いなさい。」


医者は次の診察の時間が近いため圭太の部屋を出た。





圭太「、、、、。もういいか?」














看護師「先生!!!!!

405号室の冬月圭太君がいません!!!!」


医者「なに⁈探せ!!!

田中刑事に今すぐ連絡しろ!!!!」


看護師「もしもし!田中刑事ですか⁈

殺人の容疑で精神治療中の冬月圭太君が病院内から逃亡しました!

今病院内を探していますが見つかっていません!今すぐ来てくださ、、、、、、」






















一ヶ月後





「おーいそろそろ休憩にするぞー。」


真夏。梅雨は明け30°を超える日が続いていた。


「しっかし暑いな今日も。

こんな日こそ現場仕事なんてストップして

ビール飲みてぇなぁ。なぁ新人!」


???「そウデすネ。」


「まぁ愚痴っても仕方ねぇや

昼飯食って午後に備えるかぁ。」





























「あれっ、新人。お前、
























             左利きだっけ?」








「僕を殺した君たち」        耳語







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僕を殺した君たち 與座 宙 @mimigo

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