第3話 彼氏になった

「一旦考えさせてほしい」

付き合おうと言った僕に女友達はそう言った。


「一旦考えたら、多分付き合わないって言うと思う。そっちの方が無難だから。俺は絶対大切にするし、もし別れることがあっても絶縁することはない。信じてほしい。」


僕は想ってることをそのままぶつけた。どう思われても仕方ない。付き合いたいって思ったんだから。


「本当に?信じても大丈夫?」

「うん。信じて。めっちゃ仲のいいカップルになろう。」

女友達は少し時間をあけて


「わかった。宜しくお願いします。」


こうして、人生初めての彼女ができた。高校3年になってすぐ、GW真っ只中の出来事だった。


2年間考えもしなかった。ただの女友達としてしか見ていなかった人を好きになるなんて。気を遣わずイジったりイジられたり、普通の友達だった。


夜に電話していたから、朝起きてお母さんに言われた。

「遅くまで電話してたみたいだけど、彼女でも出来たの?」

母親の勘は鋭い。


「うん、昨日付き合った。電話で。」

「そっか、おめでとう。」

なんてことない会話だった。


続く

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