第6話 エピローグ

 俺たちはオフィスの中でじっとしていた。

「開けて!!開けて!!!」

 ドアの向こうから総務の人の声がした。

 誰も答えなかった。

「男の人が首を切って倒れてるから、すぐ救急車呼んで!死んじゃう!」


***


 タクシーの運ちゃんは、うちの会社のエントランスで、首を切って自殺してしまった。後から聞いた話だと、彼の左手は指が2本なかったそうだ。遺書はなかったけど、俺への腹いせにやったんだろうということになった。俺のせいで人が一人なくなってしまった・・・という重い現実。


 会社のビルの外には旦那が停めたタクシーが残されていたそうだ。仕事中、俺が送ったメールを見て乗り込んで来たらしい。奥さんの浮気に気が付いて、携帯を取り上げていたそう。


 俺は恐怖のあまり警察が来るまで机の下から出られなかった。俺は最後まで隠れていて、警察の人に「もう大丈夫ですから」と説得されるまではそこを動けなかった。


 この事件の後は、さすがに、みんなの俺を見る目が冷たかった。


 俺はその出来事に懲りてしばらく禁欲してた。

 でも、それも長くは続かなかった。

 わずか1ケ月くらい。


 旦那さん、

 俺は心から反省はしてますが、

 あなたがなぜ、俺の会社で死んだのか今もわかりませんよ。

 ごめんなさい。


 俺、空気読めないんで・・・。

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寝取られ 連喜 @toushikibu

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