第7話 盗賊団の物語 附:登場人物が多い!

 この宋江そうこうの盗賊集団がほんとうはどんな集団だったか。

 それについては詳しいことはあまりわかっていないようです。

 頭目とうもくの名と、盗賊が「三十六人」いた、ということくらいです。三十六人というのは、たぶん、盗賊の主立った幹部の数だろうということで、手下を含めるともっといた。

 この三十六人という数が後に『水滸伝すいこでん』の英雄たちの数になります。さらに、三十六人の下に副将が七十二人いた、ということになって、百八人という、現在の『水滸伝』の英雄たちの数になります。


 主人公が百八人。

 ほとんど登場しない人物や、登場場面だけは目立つけどあとはほとんど活躍しない人物もいますが、ともかく、百八人、全員にいちおう設定があります。

 小説を書くときには「登場人物の人数を絞れ」とか言われるんですが……。

 ……ぜんぜんやってませんねぇ。


 ちなみに、私もやってません。

 『瑞城女子高校四月物語』

https://kakuyomu.jp/works/16816927862088507961

や、『遥か昔のエジプト精神』

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815

に出て来るマーチングバンド部「瑞城フライングバーズ」には(過去のメンバーも含めて)八十七人のメンバーがいることになっていて、その全員にいちおう設定があるんですが……。

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815/episodes/16817139557187788292

 ……設定作るのたいへんだったんだから!

 それでも『水滸伝』の百八人には及びません。

 主人公側だけで百八人ですから、かたき役やゲストキャラを含めるともっといます。


 もひとつちなみに、瑞城女子高校については生徒会の設定も作ってありますよ。

 カクヨム文芸部公式自主企画「沼らせ男/沼らせ女」や2023年のKAC(カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ)の応募作品では、「瑞城フライングバーズ」の設定と生徒会の設定を使って:

 『おばかさん』

https://kakuyomu.jp/works/16817330653957081067

 『続おばかさん ぐちゃぐちゃ編』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654152078628

 『アンラッキーな菜々』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654425501187

などを書くことができました。

 「沼らせ女」、「ぐちゃぐちゃ」、「アンラッキー7」という「お題」を提示されて、わりとすぐに物語を書くことができたのは、その設定があったおかげでもあります。

 ……って、『水滸伝』の話ではなくて、自作宣伝になってるね。


 なお、王朝の「宋」は地名に由来し、宋江という人物の「宋」は個人の姓なので、「の時代に江という盗賊が活躍した」といっても、王朝と宋江には関係はありません。

 『水滸伝』のなかで、暴れ者の李逵りきが「宋江兄貴の苗字も「宋」なら皇帝も「宋」だ。だったら兄貴が皇帝になっちまえばいいんだ!」と暴言を吐く場面がありますけど、皇帝家の姓は「ちょう」であって「宋」ではありません。

 要するに、李逵はトップリーダーの宋江に対する忠誠心はとても強いのだが、あんまり知識がなくて、単純で、細かいことにこだわらない性格で……という描写ですね。

 李逵は、『水滸伝』の登場人物のなかでも人気者なのですが。

 細かいことにこだわらないのはいいかも知れないけど、この李逵にとっては人間の命も「細かいこと」の一つになってしまい、趣味は大量殺戮さつりく

 その殺戮本能が敵に向けば勇敢な戦士ということになるんでしょうが、このキャラの困ったところは、それが周りにいる一般庶民とかにもかんたんに向けられてしまうことで。

 いくらセルフレーティング「暴力描写あり」でも、これはやり過ぎだろう! ……と思うほどの暴力愛好者。

 非常に困ったものです。

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