第6話 神様の犯行
「あの〜優香さん。さっきのはすみません...」
「...」
優香はむすっとした顔で俺を無視した。
「さっきの取り消してよ。」
「え〜...それはちょっと流石に無理があります〜。」
少し揶揄った口調で言ったら彼女がいきなり立ちだし俺の所に近づいて来た。
「私に事が嫌いなの?私の事好きじゃないの?」
優香はぶりっ子の様な言葉遣いをし、可愛い顔で俺の顔を見つめて来た。
「別に嫌いじゃないけど...でも、嫌いだ!」
「イ ミ ワ カ ラ ナ イー!!もぅ...」
こんな奴だけどやっぱ可愛いんだよなぁ...こんな性格じゃなければな〜。
「じゃあ今度は私の提案を聞いてくれたら許してあげる。」
「あ、いや別に、そこまでして謝ってないので、それじゃあまた。」
「いやいや、待ってって。」
俺は立ち去ろうとしたが、優香が制服のブレザーを引っ張って止めてきた。
「なんだよもぉ。...しょうがねぇな、じゃあ聞くだけ聞いてやるから。」
少々俺は呆れてたが聞いてやることにした。
「さっきの条件。一応それでもいい。けど!流石に寂しいし...」
「じゃあ性格を変えてみたら?」
唐突に傷つく様な事を言ってしまった。
「ふぇぇ...そんな難しい事できないし...じゃあそれをすれば付き合ってくれるの?」
俺の失言で怒ってくるかと思ったが、案外何も気にしていない様子だった。
そして優香の発言からすると「性格を変えれば付き合ってくれるの?」と言う事を感じとった。
「性格以外は全然お前のこと好きだよ。で も 。治すのに何年かかることやら...」
手も使い呆れた表現を堂々としてやった。
「ん....わかった!絶対治してやる!みてろよ、絶対に付き合ってやるんだから!」
俺の胸に人差し指を指してきて俺の顔を睨んできた。
だがその睨めてる顔は少し照れてる顔でもあった。
夜 Zzz Zzz
「はっ!」
「あら目覚めましたの。お久しぶりですわ。」
今日は久しぶりに自称神様野郎に会った。
「やっと付き合ったですの?」
「まだだよ。っていうかもう付き合うのはやっぱり決まってるの?」
「まあ決まってるわけではありませんわ。けど、付き合う事には変わりませんわ。」
「あーもう意味がわからん!付き合うことが決まってないのに『理』から逃げられないってなんなんだよ!」
俺の髪の毛をむしゃくしゃにしていた時、自称神様野郎の後ろに何かを発見した。
ホログラムの様な画面に女性が映っていた。
そしてその女性が優香にも見えた。
流石に気になって声を掛けた。
「あの、あれはなんですか?」
「!?い、いゃ〜なんでもありませんわ。おほほほ...」
何か焦りながらそちらの方向に急いで駆け出した。
俺は逆に走ってそこに駆け寄った。
そこには先ほどのホログラムの画面とポテチの袋、ゲーム機のコントローラー、そして大きなぬいぐるみがあった。
まず、俺はとっさにコントローラーを持って色んなボタンをいじりまくった。
画面の女性がベットの上で変な行動をし始めた。
そして気づいた。
「…あれ?ちょっと待って、この女性...やっぱり優香じゃん。」
「い、いや気のせいですわ。」
またとぼけるかの様な事を言いながら無言で物を収納した。
「おい自称神様野郎。ま さ か あれで操作してたとかないですよね。」
笑顔で無言の圧ってやつをかけてやった。
案の定、表情は図星だった。
「そ、それじゃあまた今度ですわ。おほほほ!」
「おい待」
また途中で途切れた。
それに今度は強制的にだ。
この後が不安になってくる。
神様からのお言葉は「いい加減付き合え!」だそうです 木長井 いつき @kinagaiituki
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