第15話 妖精
部屋の中に訪れたのは、老人だった。
老人は、まっすぐに昏上逢の元へ向かう。
老人は、多くの道具を背中から生やしていた。
専用のベルトでも装着しているのだろう。
刀や銃火器と言った、多くの武器を、老人は持っていた。
「儂は魔装杖の妖精じゃ」
唐突に老人はそう言った。
魔装杖は、人間が魔法少女になる為に必要な道具だった。
「おぬしの魔装杖を強化させてやろう」
魔装杖の妖精は昏上逢を見ながら言った。
「魔装杖の妖精さんだわ、良かったじゃない、強くなれるわ」
彼女はそう言って、魔装杖に挨拶をした。
「こんにちは、魔装杖の妖精さん」
「お主の魔装杖は…既に強化されておる」
蓑輪喩を見ながら、魔装杖の妖精は呟いた。
「魔装杖…これ、ですか?」
彼女はポケットから、銃火器のマガジンのような代物を取り出して、魔装杖の妖精に渡す。
それを受け取った魔装杖の妖精は、ドライバーを取り出して中を開けていく。
「誰か来客かな」
そして、部屋の奥で仕事をしていた旧壱新多も顔を出して来た。
「魔法使いさん」
「箕輪、来ていたのか」
旧壱新多はそう言って彼女の方に近づく。
「今回の仕事はどうだった?」
「勿論、それなりに出来たわ、それと、これ」
蓑輪喩は、旧壱新多に一枚の折りたたんだ紙を渡す。
それを受け取った旧壱新多は、紙の内容を確認した。
「…成程、そうか、ありがとう、箕輪」
旧壱新多はそう言うと、紙をくしゃくしゃにして、それをゴミ箱に捨てる。
「(場所を見つけた、後は、準備だけだ)」
旧壱新多はささやかに笑みを浮かべる。
「箕輪、もう一つ頼みがある」
「なあに?」
箕輪喩が旧壱新多の言葉に耳を傾ける。
「彼女のトレーニング相手になって欲しい」
昏上逢を見ながら言った。
「いいわ。早速始める?」
「トレーニングって、私と、この人と、ですか?」
昏上逢は少し心配そうに呟いた。
「大丈夫、手加減はするから」
箕輪喩は、新人である彼女に、加減はすると言った。
「俺は少し、出てくる」
旧壱新多はそう言って、煙草を銜えたまま、その場から立ち去った。
旧壱新多が立ち去った事で、昏上逢は魔装杖の妖精の方に目を向ける。
「何時頃完成するんですか?」
「一時間程待つのじゃ」
そう、魔装杖の妖精は言った。
待つ時間が長いから、ふと、彼女は気になった事を調べようとする。
旧壱新多がゴミ箱に捨てた、メモ用紙だ。
其処に、何が描かれているのかを確認する為に、ゴミ箱から紙を回収する。
そして、その中身を確認した。
『「契約破棄」の効能を持つダンジョンアイテムを確認、ギルド「雪石」が所持している』
そう書かれてあった。
俺のスキルが『魔法少女契約』と言う魔法少女を育成するスキルだったので魔法少女になりたそうなヒロインと契約してきます。 三流木青二斎無一門 @itisyou
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