作品から溢れでる疾走感に、心地よく酔う

衝動的かつ短絡的な少年たちが行う強盗事件の顛末・・・。

ストーリーだけを説明すると、上記のようになるのでしょうが、物語の流れを語るだけでは語りきれない不思議な魅力に溢れた作品になっています。

シニカルな視点で語られる2022年現在の時事ネタを含め、登場人物の会話に、ニヤリとさせられることも、しばしば……。

文章全体から滲みでる、焦燥感と疾走感が、登場人物たちの無軌道な行動とリンクしていてスマホの画面操作を行う指が止まらず、読後には、不思議な高揚感が残りました。

こうした感覚は、タランティーノ監督の初期の作品や、作中でも語られている映画『ファイトクラブ』を見終わった時の感覚に近いモノだと感じています。

テンプレのウェブ小説では、決して体験できないような、貴重な読書体験をさせていただいたことに感謝しつつ、レビューさせていただきました。