第9話
俺はメロンソーダ、黒宮さんはオレンジジュースをドリンクバーでいれてきた。
「……喉乾いちゃいましたし、メロンソーダを私にください」と自身を唇を人差し指で指す黒宮さん。
さっきのクレープだけでも過激なのに、飲み物はさらに過激な気がする。
心臓の鼓動が止む気配がない。
「わかりました。って、その前に……これって付き合い始めて二日目にやるようなことですか?」
「うん、そうですよ」
多分、恋愛経験が豊富であろう黒宮さんが言っているのだ、そうなのだろう。
自分の恋愛に対しての無知さが恥ずかしい。
もっと俺も積極的にこういうことをするべきなのだろうか。
「なら、わかりました」と口にメロンソーダを含む。
失敗した、こうなるのならメロンソーダではなく紅茶の方が黒宮さんに合っていたのかもしれない。
黒宮さんがオレンジジュースを持ってきているということは俺のことをそう見ているということだよな。
コーヒーが似合うような男になりたいな。
そして、俺は黒宮さんの唇に自分の唇をくっつけて。
黒宮さんの口へとメロンソーダを注ぐ。
恥ずかしい、そんな言葉では抑えられないほどの感情に身体が熱い。
汗が額から垂れる。
俺は黒宮さんにメロンソーダを全て注ぐと離れる。
「……うまっ」と口周りを手の甲で拭く黒宮さん。
このままこの先……セックスをしてしまってもいいのだろうか。
ふとそんなことを考えてしまった。
いや、それはさすがに距離を縮めすぎだろ。
何を考えているんだ俺は。
「それはよかったです」
「ねえねえ、鈴木くんも喉渇いてないですか?」
正直、渇いていない。
けれど、ここは反応の仕方次第でどうなるかなんて読めている。
だから俺は。
「渇いてます」と答えた。
俺は変態だ、黒宮さんからの口移しが楽しみに思っている自分がいるのだもの。
この後のことが読めてしまっている。
「じゃあさ、今度は私もやりますね」
黒宮さんの唾液を含んだオレンジジュースが飲める、そう考えるだけでアソコが興奮してしまっている。
ああ、俺はなんて変態なんだ。
「よろしくお願いします」
「はい」
ニコリと微笑む黒宮さん。
本当に今日はこの先にまでいってしまいそうな気がする。
期待してしまっている自分がいる。
「じゃあ……シよ?」と黒宮さんはオレンジジュースを口に含む。
それを見てから俺もメロンソーダを口に含んだ。
俺に恋人ができた途端幼馴染が盛大に病んだ さい @Sai31
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