第8話
言われた通りに俺は一口、クレープを口に運ぶ。
本当に黒宮さんの距離の縮め方がわからない、いや、もしかしたらこれが普通なのか?
黒宮さんレベルなら恋愛経験も豊富なはずだ。
「そのままにしていてください、私も一口食べますので」と黒宮さんは一口、クレープを口に運ぶ。
ドクンドクンと心臓がうるさい。
黒宮さんと目が合うと、黒宮さんはコクリと頷く。
だから、俺も頷いた。
キスの合図だろう。
それもレベルの高いキス、ディープキスよりも激しいもの。
こういうのは男から行くのがいいよな。
俺は黒宮さんの唇に自分の唇をくっつけた。
そして、そのままクレープを黒宮さんの口の中へと舌を使って送る。
すると、黒宮さんも自身のクレープを俺の区の中へと舌を使って送ってきた。
舌と舌が衝突した。
口の中にはチョコいちごにチョコバナナへと味が混ざっていく。
こうして、俺と黒宮さんは自身のクレープを口渡しした。
ああ、ガチでめちゃくちゃやばいことを俺は今してるよな。
もしかしたら肉体関係を築くよりももっとすごいことをしてるんじゃないかこれ。
普通の高校生はこんなことをするのだろうか。
お互いの食べ物を口の中で移し合うなんて。
ペロリと黒宮さんは口周りを一周舌で舐める。
「……うまっ」
「……」
美味しかった、ただでさえクレープは美味しいのにそこに黒宮さんの唾液が入ってくるのだ。
まずいはずがない。
「もっとしてもいいかな?」
俺ももっともっともっともっともっともっとしたい。
もっともっともっともっともっともっともっともっと悪いクレープを食べたい。
「うん、次は噛んだもっと唾液が含まれたクレープが食べたいです」
「うん、そうしよう」
完全に黒宮さんの距離がバグっているなこれ。
俺の距離感が正常なんだよな?
付き合って二日ではまだ手を繋ぐぐらいの距離感が普通だよな?
再度、お互いに一口、クレープを口の中へと運び、噛む。
何度も、何度も、何度も。
いつも食べ物を飲み込む前のように。
口の中にはクレープの生地とチョコいちごの味が広がる。
でも、足りない。
ここにチョコバナナと黒宮さんの唾液が欲しい。
黒宮さんと唇と唇をくっつけ、くちゃくちゃに唾液で湿ったクレープを黒宮さんの口へと運ぶ。
俺も黒宮さんのクレープをもらう。
唇と唇が離れると、そのクレープを噛み飲み込む。
だめだ、さすがに刺激が強過ぎてアソコがやばい。
なんとか中腰にして隠しているがこれはかなりまずい。
「喉渇いたから、次はドリンクでやってみませんか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます