第15話 シャルロットの誕生日とウラジーミルの歓喜
小麦の収穫から半月ほどが経った。
今日は娘のシャルロットの1歳の誕生日だ。
城で娘の誕生日を祝うパーティーが開かれ
大勢の人達が集まってくれた。
参加者達にはパンが振る舞われている。
それはこの国で育てられた小麦から作られたパンだ。
私も食べてみたが、味はそこそこって所かな。
娘には私が離乳食を与えている。
娘はそれを美味しそうに食べている。
それを見ていると私は笑顔になれた。
それから数ヶ月が経ち、季節は秋になった。
娘のシャルロットは更に成長していた。
今では立って歩く事もできるし、
いくつかの単語を覚えたりもしている。
初めてママと呼ばれた時は
とても嬉しくて思わず泣いてしまった。
夫のウラジーミルは
娘にパパと呼んで欲しそうにしている。
でもまだ呼ばれた事が無いんだとか。
夫はこうボヤいていた。
「シャルロットは僕の事をパパと呼んでくれないのに、使用人のマーサの事は名前で呼んでいたんだよ」
そう話す夫の顔は、とても寂しそうだった。
そして今日は小麦畑に種を蒔く日だ。
私は夫と娘と共に畑に向かった。
そこでは大勢の農夫達が種を蒔いていた。
今年もまた小麦の品種改良を続けるという。
それは今よりも美味しい小麦を作る為らしい。
私も小麦については勉強していたが、
思った以上に進展している様だ。
最近は育児が忙しくてあまり勉強できていない。
なので私の知識は役に立たなさそうだ。
夫のウラジーミルは色々と指示を出している。
私はそれを娘と一緒に見守っている。
しかし娘が泣き出してしまった。
こうなるとなかなか泣き止まない。
原因を探ってみたが、よく分からなかった。
私がしばらくあやしていると娘は眠った。
なるほど、今回は眠かったんだね。
その寝顔はとても可愛かった。
私は眠った娘を抱いていた。
すると種まきが終わったみたいだ。
農夫達が夫の元に集まっている。
そして夫は私に向かってこう言った。
「僕は次の畑に行くけれど、ナタリーはシャルロットを連れて先に帰っててくれないか?」
その言葉に私は頷いた。
私は娘と一緒に馬車で城に帰った。
城に辿り着くと娘が目を覚ました。
なので私は部屋で娘と遊ぶ事にした。
娘と遊んでいると夫が帰ってきた。
すると娘が夫に向かってこう言った。
「ぱぁぱ」
その言葉を聞いた夫はとても喜んだ。
夫の笑顔を見て、私も幸せになれた。
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