6-17 光焔
また、その地を治める
「なんだか今回は慌ただしかったな。無理もないが、」
「
「なんで俺が残るんだ?」
その問いの意味が解らず首を傾げる。
ああ、まあ、
「それにしても······後ろの、あれ、どうするつもりなんだ?」
「あれ?
「なになに、俺の話? 俺は
駄目だよ、と
「
「いや、無理があるだろう」
どう考えても、誰もそんな風には思わないだろう。たとえ、人を傷付けない、襲わない、同族殺しの変わった特級の妖鬼だとしても。
「じゃあ、この姿ならいいんじゃない?」
灰色の煙に包まれたかと思えば、大きな黒い狼が姿を現す。
『飼い犬ならぬ飼い狼なら、誰も文句は言わないでしょ』
文句は言わないだろうが、悲鳴は上がるだろう。
「わあ、格好良いねっ! すごい! 毛並みも良いっ」
その姿に興味津々の
「いや、
そんなやり取りを、
「
「へ? どういうことです? だって、特級の妖鬼って······、」
妖鬼には一度、怖い思いをさせられていた。あの病鬼の姿は、今でもふと思い出して震えてしまう。確かにあれとは違い、ものすごく綺麗で、声音も優しいのだが、やはり人ではないというだけで、
「
「精霊? って、なんです?」
「自然の神様? って感じかな。上手く説明できないや、ごめんね?」
あはは、と笑って誤魔化す
「とにかく、強くて、優しくて、頼りになる仲間だよ。それじゃ駄目?」
「いえ、十分ですよ。私は安心して
「
正面から抱きついて、
『
その金眼がギラリと光った気がして、
そこで起ころうとしていることなど露知らず。
黒い狼姿の
~第一部 完 ~
******************
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
たくさんのコメント★レビュー、♡、応援コメントをいただき、感謝です。
また、第一部を最後まで読んでくださった方、もしよろしければ★評価や応援コメントを下さると、とても嬉しいです。今後の創作の励みになります。
突然ですが、この章にて、第一部は「完」となります。
第二部は新たな作品として、別ページで用意しております。引き続き、こちらもブックマークしていただければ幸いです。
「彩雲華胥〜轉合編〜」
はこちらから↓
https://kakuyomu.jp/works/16817330652696193218
~皆さまの何気ない日々が、良き日であるよう~
柚月 なぎ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます