5-7 宗主代理
外は薄暗くなっていて、ふたりがそこに現れる前に、門にぶら下がっている左右の灯篭に火が灯されていた。
「大丈夫か?」
思わず、
今は
「へーきへーき。それより、このひとは?」
「
「
「はじめまして、
背の高い少女を見上げ、
ふたりの関係は従兄妹で、現宗主の妹が
「
「······ああ。そうだったな」
どちらも口調が平坦で、抑揚がない。
「ふたりって雰囲気が似てるね!」
そんな中、
それはどこまでも無表情に近かったが、どこか不安げな表情に見えなくもない。
首を傾げて
「あ、······えっと、姉上に報告してきます。皆さんは、もう少しここでお待ちください」
きちんと礼をし、
「で、······どうだった?」
白虎との契約は滞りなく行われたようだ。後は、目の前の問題を解決するのみ。
「
「ああ······疫病の発生時期とか、始まりがどこだったかとか、あと、もうひとつの問題も、」
「それって、失踪事件のこと?」
なんでそのことを? という目で
「聞いたこと、全部、教えてくれる?ここに彼女が戻って来る前に、」
「は? ······なんでだ?」
義弟の考えていることはたぶん自分の上を行っているのだ。先程、
わかった、と
そこには
「宗主代理として、
少し高い位置で女性らしく左手の拳を右手で包み、両手を左の腰に当てて膝を少しだけ曲げて小さくお辞儀をして見せた。
万福というお辞儀で出迎えた少女は、紺藍の胸元が開いている上衣に、裾に白い糸で紋様が描かれた下裳を纏い、藍色の
真っすぐに揃えられた前髪が幼い印象を与えるが、少女は
頭の上にお団子を左右作り、青い小さな花が三つほど付いた飾りを付けている。残った癖のある髪の毛は背中に垂らしていて、石階段から一歩降りる度にゆらゆらと揺れた。
「誠に申し訳ないのですが、今、この邸に男性を迎え入れることはできません。宗主が病に倒れ、代理である私の一存では難しいのです」
「姉上、彼らは、」
ちらりと一瞥した
笑みが常に表情を彩っているが、それがどういう意味での笑みなのか
「ええ、なので、あなたと、あなたは、私の権限で招き入れましょう」
言って、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます