5-6 姮娥の邸へ
「それで、
歳の近いふたりは、最初こそ敬語だったが、途中からはそれぞれ話しやすい話し方に変わった。
道を案内をするため前を歩く
「母上には会えていない。姉上は問題ないと言うけれど、実際その姿を見ていないから、断言はできない」
「
別に楽観的に言っているのではなく、噂に聞く宗主の長女
実際、
逆に、目の前にいる
特に目元が宗主にそっくりで、背も
いつもは姉や妹の言葉に頷いているか、短く答えるくらいで、無口というか大人しい印象がある。
弓の腕が五大一族の中で一番優れており、三姉妹の中で唯一、
つまり長女の
「君は、あんなところで何をしていたんだ?」
「······私は、」
「俺たちでよければ力になれるかもしれない。
「······解った」
そもそも公子たちと普通に言葉を交わしていること自体、あり得ないことなのだ。
(
それでも、彼らが怪我をしたり、悲しい想いをするのだけは嫌だった。
だが時間は戻らないから、それ以上に尽くすことで少しは許されるだろうか。
(いや、許すも許さないも、
そもそもそのことについて、
(
あの巨大な
それでも、ついて行くと決めたのだ。物理的には無理でも、違う意味でふたりを守れるように。
あの日、
お守り代わりにと貰ったその守り刀が、なんだかずっしりと重く感じた。
この時の
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