4-16 届け物
明け方、
昨夜から降り続いていた雨は止んでいたが、足元がぬかるんで歩きにくい。朝露に濡れた道端の葉が、太陽の光を浴びてキラキラと輝いて見えた。
澄んだ空気の中、
会話はいつもの通り、
途中からは
晴れ渡った空もそうだが、壮麗な湖水の都は、運河も含めてひとつの景色として素晴らしい眺めだった。
「おはよ、
玄武洞の入口に立って、ひらひらと優雅に手を振っている
隣には彼より背の低い
「おはよう! ごめんね、急に押しかけて。頼みたいことがあって、
「
「え? 匂い? 俺ってそんな変なにおいがするの?」
「変な、じゃなくて、とてもいい匂いだよ、」
そんな
「
「うん、あのね、
言って、
「これを、母上に届けて欲しくて」
「
「なにか伝えることはある?」
「ううん、邸に置いて来てもらうだけでいい。母上ならそれでちゃんと解かってくれるから、」
そう? と
「まあ、俺も
「そうなの? じゃあよろしくね、」
任せて、とにっこりと笑みを浮かべる。あ、そうだ、と
「
「うん、そうだよ。俺はあなたの眷属だから、どこにいても名を呼ばれれば召喚される。契約を結んだ四神も同じだよ。四神は陣さえ発動させればそこに現れる。ただ、恩恵を受けていない地での他の四神の召喚は、特に霊力を消耗するから、本当に必要な時だけにしてね?あなたが倒れたら何の意味もないから」
現に、
「声だけなら、心の中で名を呼んでもらえればいつでも応えられます。私で役に立つことがあれば、いつでも呼んでください」
何回されてもその姿は恐れ多いと思ってしまう。自分などに跪かないで欲しいと、
こんな状況になっても、
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