4-13 教えて欲しい?
「せっかく一日時間を空けて、君と最後の研究に没頭しようと思ったのに、君ときたら······これで何回目かな?」
「うぅ······
赤く腫れあがった額を両手で抑え、涙目で
「ふふ。これでも十倍以上減で、優しく優しくしてあげているんだよ?」
もちろん、本気でやったら頭が吹き飛ぶ可能性は高いだろう。
「どうしたの? なにか悩みごとかい? 私でよければ相談にのるよ?」
よしよしと猫でも撫でるように
さっさと通霊符の完成を目指したいのに、当の本人がこの状態では難しいだろう。なので、とりあえずその原因を取り除くのが先と考えた。
「
「病気? どこか痛むのかい? 診てあげようか?」
普段のあの
仮にも
「いつから調子が悪いの? 玄武との契約の後?」
「なんか胸の辺りが痛くて······あと、頭がぼーっとする」
「本当に? ちょっといいかな?」
心臓のある辺りに触れてみても、特に変わった心音はしない。けれども
「ちなみにだけど、なにか思い当たることはある? そうなる前に起きたこととか、」
訊ねた途端、
「蔵書閣で、
「どん?」
「あははっ······くくっ········ホント、君ってひとは······ははっ········面白すぎっ」
「あのね、君のそれ、重大な病だよ!」
かと思えば、がしっと
「え······俺、死んじゃうの?」
「うーん。そうだね、そこまでの病ではないけど、ある意味とても大変な病だよ」
冗談なのだろうか?
それとも本気だろうか?
「それを治すための方法はひとつだけだよ? 教えて欲しい?」
「治せるのっ!?」
「もちろん。でもそのとっておきの方法を教える代わりに、私の頼みも聞いてくれるかな?」
「うん! 聞く!」
「じゃあまずは通霊符の完成に向けて、最後の詰めを終わらせようね」
はーい! と
(それにしても······
悠久の時を繰り返して来た彼は、
「
目の前にかつて愛したひとと瓜二つの者がいて、魂は同じで、しかも好意もある。いつでも触れることができるし、
(自覚させてあげるのが、一番いいだろう。その後のことはふたり次第だし、私が手助けできるのはそれくらいだ)
その数刻後、ふたりの研究はひとまずなんとか一段落し、次の段階へと進むことになる。
通霊符を応用して活用するために、手の平に納まるくらいの大きさの合わせ鏡を媒体にして、片方を
明日出立した後、その鏡を通じてさらなる実験をするためだった。そして
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