4-7 麗寧の贈り物
出立は三日後。あくまでも元々の目的である修練のためという名目で、各地を巡ることになっている。
「できた!」
「ふふ。完成ね」
毎日のように一緒に楽しくお茶をしたり、笛と琵琶を奏でたり、地図を書き足していくのは新鮮で、なにより
「こうやってお茶を楽しむのも、一緒にお話をするのも、できなくなってしまうのね? そう思うと、とても寂しいわ」
「俺も、
ええ、もちろん! と
「
急に立ち上がり、部屋の奥の方へ行ったかと思うと、
広袖の薄い夏物の羽織は黒だが、左右の袖の下の部分にだけ、銀色の糸で描かれた小さな胡蝶が二匹と、山吹の花枝の模様が描かれていた。
その中に纏う上衣は赤で、下裳は黒。帯は金の糸の刺繍が入った黒で、その上に飾る
「こんな高価そうなもの、俺が貰ってもいいの?」
「もちろん! あと、夏用とお揃いの冬用の羽織もね!
衣裳を手渡して、満足そうに
「
「あと残り三日だけど、もう少しだけ私と一緒に遊んでくれる?」
「うん、もちろん!」
今日も夫人の部屋は賑やかで、その前をゆっくりと通り過ぎて行く
あんなに生き生きと楽しそうにしている
(
これから
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