4-4 一緒にいたい
けれども、
そして、もうひとつの伝言を思い出す。
「あのね······金眼の鬼子に会ったら、って、
身体を起こして、袖で涙を拭う。なに?と期待の眼差しで
「
すっと目の前にしゃがんで、言葉の続きを待っている。それはまるで褒めてもらいたくてこちらを見上げてくる子犬のようで、ますます言いにくくなる。でも、伝えないと、と
「もう、······待たなくていいよって········ひとりでよく頑張ったねって、」
言い終えた後、
「そっか······
肩越しに耳元で囁かれたその声は、どこまでも優しかったが、いつものあの軽い感じの声音ではなかった。
「······俺は、君たちの
ふたりを縛っていたものはもうどこにもない。制約も、約束も、ここにはもう存在しない。だから、どうか、ふたりにはふたりの道を歩んで欲しい。
「もう、解放されて、いいんだ」
伝言を伝えた後のふたりの顔を見たら、それでいいのだと確信した。
それなのに。
「私は、君の傍にいる」
「······どう、して?」
「代わりだなんて。違う。あの言葉のおかげで、間違ってたことに気付いたんだ。俺はずっと記憶が無くなった
「え?······どういう、」
ごめんね、と
「ずっと、生まれた時から、あなたの傍であなたを見ていたよ。その横笛は始まりの
赤子の時から、ずっと、今まで。
"
「
「······いいの? 俺は、ふたりが待っていた
「いいもなにも、俺たちがそうしたいって言ってるんだから、あなたはただ肯定してくれればいいんだよ、ね?そうでしょ?」
自分たちは気付かない内に、
「君は、君のままで、いい」
「······俺も、一緒にいたい」
たくさん泣いた。泣いたのは、いつ以来だったろう。それくらい、離れがたい想いが溢れてくる。こんな気持ちは初めてで、どうしたらいいのかも分からない。でも、これだけは言える。
「ありがとう、」
ふたりの手を取って、握りしめる。冷たい手と、あたたかい手。温度の違う手は、なんだか心地好かった。
「元の鞘に収まってなによりだが、大事な事を忘れていないか?」
そしてなんとか夜明け前に、
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