3-25 逢いたい
「······これが、
この国の希望であり、絶対的な存在。それが書物の中の
この真実は、きっと誰も知らないのだろう。
「それじゃあ、十五年も前に、封印は解かれていたってこと?」
見えない何かに踊らされているような、そんな気さえする。
今、ここに自分がいることさえも、もしかしたら誰かの思惑なのかもしれない。そんな風に思ってしまう。
なぜならあの時、
「話はここまで。続きはまた今度」
「契約の書き換えはもうじき終わるだろう。ここに訪れた時から、すでに書き換えは始まっていた」
ちょっとまって! と
まだ聞きたいことがたくさんあるのに、こんな中途半端なところで終わってしまうなど、頭の中が追い付かない。
「あのね、ひとつだけお願いがあるんだ」
え? と今度は前にいる自分そっくりな
「もし、君の傍に、こんな感じの無愛想で無表情で無口なひとがいたなら」
「彼に永遠の輪廻を与えた時に私が口にした制約は、"自害すること"、以外は嘘だって教えてあげてくれるかな?」
「は? え? どういう、意味?」
「いつか生まれるだろう君に嫉妬して、私以外の誰かを慕うのが嫌だったなんて······ホント、私って馬鹿だよね。同じ存在なのに、」
とても愛しいものを想うような、そんな瞳で笑って、
「彼の時間を縛ってしまったこと、後悔してるんだ。だから、伝えて欲しい。あの時の私はもういない。君は、君の守りたいひとを守ってあげてって。それから·····ごめんね、そして今までありがとうって、」
言い終えると、
「あ、あともうひとつ! もしも金眼の鬼子に会ったら······私のことはもう待たなくていいよって、ひとりでよく頑張ったねって伝えて欲しい」
言って、
それはきっと、自分が彼らに聞きたかったこと。
どうして守ってくれるのか、と。
いつも傍にいてくれるのか、と。
その答えは、この
「······そんなこと、知りたくなかったのに、」
自分は、結局、
空間がゆっくりと崩れていく中、
(それでも傍にいてくれたのは、どうして?)
再び暗闇にセカイが染まった。身体が引き戻されるような感覚があり、目を閉じたままその流れに身を任せる。
(ふたりに、逢いたい······逢って、聞きたいことがたくさんある)
そして次に瞼を開けた時、最初に視界に入って来たのは、心配そうに自分の顔を覗き込む、
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