2-4 白群の第一公子
(本音を言うなら、羨ましくも思うよ)
奉納祭のあの騒動に関わらなかったのは、別に
珍しく弟が
あえて関わらなかったのは、場を乱さないためでもあり、あくまで宗主の意見ということにしたかったから。
(だがまさか、あそこで発言するだなんて)
本当に彼のことが気に入っているのだろう。
「
「もちろん! あと、俺のことは
「そう、それは良かった。
傍からそのやり取りを聞いていた
(頭が痛くなってきた········)
まだ森の入り口辺りだというのに、すでにどっと気疲れしていた。後ろから付いて来る
そんなふたりの気など知らず、前の前を歩く
「明るい内に森は抜けた方がいい。無駄な力を使って渓谷を越えられなくなると、より危険になる」
「そうですね。この森はいつ来ても陰の気で溢れているので、
森の先の渓谷がさらに問題だ。そこに十数年前から住まう、気まぐれだが、万が一ちょっかいを出して来たら
静かにやり過ごせればいいが、戦いになれば無傷では渓谷を抜けられないだろう。
「最近、渓谷には亡霊が出るとか········民たちの間で噂になってましたよ」
ぼそぼそと
「
「こら、
会話を聞いていた
せめて敬語を使ってくれ、と
「ああ、それなら
それに気付いて素早く顔を背けた
「さすが公子様!」
にこっと満面の笑みで褒め称える
「ちょ、お前、
怒鳴りながらずるずると引きずって自分の横に連れ戻すが、へらへらと笑っている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます