3-2 清婉
邸に戻ると宴の準備で弟子たちが忙しく動いていた。
「手を止めさせてしまい申し訳ないね。気にせずに続けてくれ。おや。君は客人だから休んでいて構わないのに」
蓮の花の模様の白い衣の者たちの中に、黒い衣が混ざって悪目立ちしているので、思わず声をかける。
食材を両手に抱えたままこちらに挨拶をしてきた青年は、包丁を持つ
「いやぁ。何かしていないと落ち着かなくて。どうせならお手伝いをと思って」
「
こくりと
広い厨房には、この三人と他に五人ほど弟子たちがいた。
弟子たちを纏めているのは
まだ術士として修業中の者たちだ。術士として称号を得た者たちは宗主を主とし、命令に従い各地の怪異を治めている。
年に一度だけ皆が集まる日があるが、それ以外は基本的に邸を空けていることがほとんどだった。
「
必要なものでもあるのかと思ったのか、
「いや。一応主宰なので進み具合を確認しに来ただけだよ。邪魔になる前に去るから、私のことは気にしないでくれ」
大きな鍋の方からいい香りのする厨房に長居しても腹が減るだけなので、
「
たまに怖いけど······と
「俺たちの師でもある。術式や陣は
「あんなに若いのに!? やはりふたりそろってすごい方々なんですね」
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