2-10 渓谷からの帰還
大きな滝がある
「
地面に降り立つと、騒がしい
「大丈夫だよ。心配かけてごめんね」
「衣が乱れてますよ。ほら、直してあげますから、」
「必要ない」
すっと
「公子様、自分でできるよ?」
さすがに申し訳なく思ったのか、
こほん、とわざとらしく
「遊んでないで、
そうだね、と離れた所にいる二人の元へと駆け寄った。
「ごめんなさい、迷惑をかけました」
宗主たちの前で跪き、
「君のせいではないし、迷惑だとも思っていないよ。彼に、
「あ、ええっと、うん、平気だよ。
「我々が勝手に呼んでいる、彼の通り名みたいなものかな」
「そう、なんだ。俺は、この通り。
色々あったが、一応無事ではあった。思い出した
なんとなく察した
「公子殿、我々の落ち度だ。鬼がいると知っていながら油断をしていたせいで、危険な目に合わせてしまった。後で
「それは大丈夫です! むしろ俺が簡単にさらわれたのが悪いし、結果何事もなかったわけだし、」
何事もなかった? と
だが蒸し返したところで恥しかない。出かかった言葉をなんとか呑み込んで、
今夜はここで野宿をする羽目になった。本来ならもう一つの吊り橋も越えて、滝の近くの村で宿をとるはずだった。無理をすれば橋を渡れないこともないが、あえて危険を冒すこともないということで野宿となったのだ。
夜に活動することが多い術士たちならば、慣れたことでもあるが。
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