映画『沈黙』を観て衝撃を受けてから、隠れキリシタンのことは個人的にかなり調べた賛否両論あるとは思うが、私の結論としては、隠れキリシタンの信仰はキリスト教ではないキリスト教は一神教だが、隠れキリシタンの信仰は多神教だからだしかし、それがどうしたというのか少女の吐息さえ聞こえてきそうなこの小説のリアリティこの島に神々はいる神々は二人を祝福している神々は尊く、人も尊いとても美しい物語である
長崎県天草市の南にある崎津漁村で学生生活おくる杉浦澪。ここは、かつて江戸初期、幕府から弾圧を受けた隠れキリシタンが、たどりついた島。中学からは鹿児島のエリート校に進学した夏目柊が、島へ帰って来た日から、物語は始まります。島の教会や島民のしきたり。全てが自然体で、すんなり心に入って来ます。澪の、島に残る定めの決意のような感情も凄く惹きつけられます。是非とも、隙間時間に開いてみて下さい。 ふと、今でものこる歴史の島に思いを馳せることでしょう。
とても良い短編でした。実在の地名とその場所の歴史をバックボーンとした出来事や想いが綴られています。短くも奥行きのある物語。この後にも続くであろうまた別の物語を思わせる余韻が素敵です。