第343話「3人へのプレゼント」
「しょうがないなぁ」
そう言う海老名姉妹に連れられ、蒼へのプレゼントを選んでもらった。
やってきたのはドラッグストア。
大手チェーンのでっかいお店だ。
「これとこれ、どっちが良いと思う?」
「うーん・・・こっちかな!」
姉妹そろって楽しそうに蒼のプレゼントを選ぶ。
これはもはや、俺からのプレゼントではなく海老名姉妹からのプレゼントなのでは・・・?
そう思ったが、深くは考えないでおこう。
「村上先輩!」
「これがいいんじゃないですか?」
二人にそう言われたもの。
謎の樹脂製の容器。
そこに、液体が入っている。
「なんですか・・・これ」
「化粧液と乳液です」
と、明音の方が言う。
俺には訳が分からない。
何かの呪文・・・?
何も理解できない。
「これ、蒼に渡して理解するのか?」
「女の子はみんな理解します!」
と、歩夢が自信ありげに言う。
「そ、そうか・・・」
その歩夢の発言を信じ、2つのそれを購入。
3000円ぐらいしました。
小さなボトル容器に入っている液体は、恐らくコップ一杯の半分にも満たない量だろう。
それなのに、1個あたり1500円近くもしている。
どんな代物なんだ・・・これ。
「それで、村上先輩!」
「私たちへのクリスマスプレゼントは?」
歩夢からの、明音への会話のバトンタッチ。
「いや、なんで・・・君たちに」
「私たち、先輩の買い物に付き合いましたよ?」
「だから、ケーキ買ってください!」
そういえば、海老名姉妹はクリスマスケーキを買いに行くところだったな。
「まぁ色々助かったし、分かったよ」
おっきなホールケーキ、4500円。
この1時間で7500円という大金が失われてしまった。
しかも、そのお金で得た品物は、すべて他人へ譲渡されるという・・・。
まぁ損したわけではないんだけど、何というか・・・恐ろしいな。
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