第333話「見知らぬ少女からの相談」


中間テストの勉強に明け暮れ、受験勉強に明け暮れ、もう、狂ったように勉強をする日々。


これが受験生か・・・辛い。


ただそう思うだけの日々。


しかし、普段から勉強をしているせいか、2学期中間テストも体感はあっさり終了。


受験勉強も相まって、勉強してる感はほぼなかったので不安だった。


だが、継続していると案外身につくようで、問題がすらすら解けて一安心。


継続は力なりってこういうことなんだな・・・。


とはいえ、テストが終わっても勉強をしなくちゃいけないのは相も変わらず。



「はぁ」



蒼が最近ため息をよくするようになって、俺にも移ってしまったのだろうか。


ため息をしながら、学校の廊下を歩く。


教室から下駄箱という、短いようで長い廊下を・・・。



「あの・・・すみません」



下駄箱のちょっと手前で、少女が声を出す。


壁に寄りかかっていたが、一瞬だけ俺と目が合ったような気がした。


刹那、彼女はスッと壁から背中を離し、こちらへ身体を向ける。


見知らぬ少女。


控えめだが明らかに目立っている赤いリボンとツインテールの少女。


一瞬俺に声をかけてるのか? と思ったが、知り合いでもない人に普通は声をかけるはずがない。


だから、まさか自分に話しかけられてるとは思わず、そのままスルー。



「あの・・・村上さん」



名前を呼ばれて、はじめて気づく。



「あ、おれ?」



振り向くと、そこにはやっぱりツインテールの少女。


やけに目が合うと思ったが、まさか自分に話しかけられていたとは・・・。



「なんですか?」


「あ、突然すみません・・・」


「うん」


「村上友彦さん・・・ですよね?」


「うん」


「えっと、わたし海老名明音(えびなあかね)って言います」


「あ、うん」


「その・・・少し相談がありまして」


「ちょっと待って、色々状況が呑み込めないんだけど」



見知らぬ少女に急に話しかけられて、急に相談があるんです! って。


マジで意味が分からん。


海老名明音・・・そんな知り合い、脳内を隅々まで探しても覚えがない。


誰なんだ、この少女は・・・。


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