第303話「見せ合いっこ、その2」
「それより、蒼はどうなの?」
ということで、蒼の中間テストの結果を見せてもらおう。
まぁ高校なので、学力にそこまで差があるとは思えない。
偏差値というもので、学力差はある程度揃った人が集まる。それが高校だ。
そのはずなのだが・・・。
「え、なにこれ」
「いや、まぁいつもこんなもん」
「え、なにこれ」
二回目。
同じ言葉しか出ないような結果だった。
「なんですか。バカにしたいんですか?」
「いや、俺の点数見てこれがバカにできたら、それはもう無敵の人だよ」
結論から言うと、蒼は想像していた何倍も頭のいい人でした。
点数がバカ高いです。
俺は2年から文系専攻、蒼は理系専攻なので、教科は若干異なる。
しかし、それが言い訳にできないほどの点数の高さ。
どの教科も90点を超えてるものだらけだ・・・。
「完敗だ・・・」
「私たち、勝負してたんですか?」
「してないけど、蒼って頭いいんだな」
「えへへ。褒めてます?」
「まぁ・・・」
褒めるしかないよな。これ・・・。
「この学力なら、もっとレベルの高い高校行けたんじゃないか?」
「地元が良かったからなぁ。中学は半グレだったし」
そう言えばそうでしたね。
最近の蒼はかなり大人しい、普通の女の子になっている。
だから忘れがちだが、蒼の経歴はもはや黒歴史そのもの。
「半グレで頭がいいってどんな奴だよ」
「ギャップってやつ?」
「ギャップなのは間違いないな」
「かわいいでしょ?」
「カワイイ…?」
何がともあれ、蒼の学力に驚愕するしかない・・・。
それと同時に、思うところがある。
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