第280話「新たなジャンルへの挑戦」


ゴールデンウイークという長い連休に入った。


家でゆっくりできると思うと、心が安らぐ。



「先輩! デート行きましょう!」



家でゆっくりできると思ったのだが、どうやらできなさそう。心が安らがない・・・。



「えっと・・・どこ行っても混んでると思うけど」


「えー、別にいいじゃん」


「まぁ・・・」


「ちょっとはさ、先輩の好みを知りたくてさ」


「えっと、どゆこと?」


「先輩ってさ、地雷とか好きですか?」


「地雷・・・クレイモアとか?」


「なんですかそれ」



地雷ってきくと、本来の地雷しか思い浮かばないのだが・・・。


クレイモア・・・アメリカ軍で使用されている地雷の一種。



「そうじゃなくて、こういうのです」



そう言われて見せられたスマホの画面には、あ、あぁ・・・みたいな反応を思わずしてしまうような、特徴的な服を身にまとった女の子の写真。


全体的にダークな服装で、フリルやレースが目立つ。ミニスカートとツインテールで、大きなリボンで結んでいるのも目に留まる。



「す、すごいですね」


「友達がこういう格好しててさ。ちょっと可愛いなぁって思ったの」


「なるほど」


「先輩的には、どうですか?」



どうと言われてもなぁ・・・。


なんというか、すごい目立つよね。



「可愛いと・・・思うよ」


「なんでちょっと引き気味なんですか」


「いやまぁ、こういうのって女子ウケなんじゃないの? 知らんけど」


「そうなのかなぁ。先輩は、私がこういうの着てたらどう思います?」


「いやまぁ・・・可愛いと思いますよ」


「じゃあ買ってもいい?」


「買うのは自由にしてください」


「なんでそんな事務的な対応なのよ・・・」



すげぇ! かわいい! とか期待してるのかな? この子は。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る