第243話「朝からえっちな話はちょっと・・・」


土曜日にも関わらず、平日と変わらない時間帯に家に押しかけてきた蒼。


すぐに帰るのかと思いきや、今日はずっと居座るとのこと。


そんなことを高らかに宣言されてもなぁ・・・。



「あとさ」


「なに?」


「なんで制服なの?」



蒼の服装は、平日と変わらない制服。


平日は学校に行くから制服なのは理解できるが、今日はなぜ制服なのだろうか。



「制服ダメ? 似合わない?」


「そういうわけじゃないけど」


「先輩、昨日パンチラがどうこう言っていたので、ご希望にお応えしました!」


「パンチラがしたいわけじゃないよ!?」



あれは相手に気づかれずに、たまたま見ることに背徳感があるものだ。


そうじゃないのなら、それはただの下着であり、ただの布である。


うむ。そういうことにしておこう。



「でも、男の子的には制服が一番エロい格好ですよね?」


「そんなことないと思うけど」



蒼さんはどこでそんなことを学ぶんですかね。


女子もアダルト系のサイトとか見るんですか?



「っていうか先輩、なにか暇をつぶせそうなものありますか?」


「知らんよ。暇なら帰ればいいじゃないか」


「ひどい! せっかく陰キャで引きこもりな先輩のために、カワイイ後輩ちゃんが遊びに来てあげてるのに! しかもえっちなことだってできるように制服で来てあげてるのに」


「なんか微妙に傷つけられたような。というか、朝からそっち系の話はやめないか?」



俺と蒼はいつから恋人同士になったんですかね。それともセフレですか?


実際はそのどちらでもない。何というか、まぁそれが現実ですよね。


とはいえ、暇を潰せるものか。


うちにはゲームと本ぐらいしか存在しない。


ゲームも蒼には合わなそうなものだし、本だって小説がメインだから蒼に合わなそう。



「すまないが、うちには何もないぞ。ここにあるのが全てだ」


「そっかー・・・何もすることないのかー・・・」



何か言いたげな喋り方。


表情もなぜか、ちょっとにやついてる感じ。


そんな分かりやすい表情のまま、彼女は続けて言う。



「することないなら、えっちなことするしかないよねー」


「なんで?」


「え? だってやることないんでしょ?」



白々しいというか、何というか。


前にもこういう展開あったような気がする。


毎回思うことなんだけど、これ、俺が本気にしちゃったらどうするつもりなんでしょうね。



「やりませんよ?」


「どうして?」


「下に親いるし」


「バレないと思うよ? それに、そういうスリルもよくない?」


「よくないねぇ」



そんな性癖はさすがにありません。


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