第241話「予想通りの予定通り」


次の日。蒼は宣言通りに俺の家にやって来た。


それも、昨日までと同様に早い時間帯。


ここまでくると、さすがに母親も黙認というか、勝手に家に入れば? みたいな雰囲気だ。


一応昨日までは母親に許可をもらって入れていたわけだが、ここまでくるともうその必要もなさそう。



「やっぱ落ち着く~!」


「畳ってそんなに良いか?」


「うん!」


「そっか」



蒼はいつも通りにゴロゴロしている。


制服のまま寝っ転がるものだから、いつもシワとかついちゃうことが気になってしまう。


あと・・・。



「蒼さ」


「ん?」


「なんていうかさ、制服着てるんだからさ」


「シワ? 気にしないから平気」


「じゃなくて、スカート」


「それがどうしたの?」


「中、見えてるからね」


「そう?」



あ、気にしない感じ?


ここ3日間、毎日ゴロゴロするたびにスカートの中がチラチラと見えてしまっている。


言った方が良いのか、見て見ぬフリをした方が良いのか。


そう思ってきたが、無自覚なのはさすがにまずいと思って蒼に伝えてみる。


が、この反応である。


もしかして、分かっていた?



「気にしないの?」


「先輩は、毎日見てたんですか?」


「いや・・・視界に入ってきて」


「へんたーい!」



そんなこと言われても・・・。


男として、そういうのが視界に入っちゃうとどうしても見てしまう。



「とりあえず、気をつけてください」


「大丈夫ですよ。こんなに無防備になるのは、先輩の前だけですから」



胸の奥底がドキッとするような蒼の発言。


その言葉に、どう回答すれば正解なのだろうか。


この人は、よく分からない。


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