第226話「恋バナと年齢差」


三永瀬蒼が夕凪先生に質問した内容。



「卒業した生徒が恋愛対象になることってありますか?」



というものだが、どうしてそんな質問をしたのだろうか。



「三永瀬さん。どうしてそんなことを?」


「いや、まぁ・・・」



そこから一間を置いて、小声でつぶやくように言う。



「好きな人がいて、その人がある先生とすごく仲が良くて・・・」



と・・・。


何と言うか、乙女な悩みでした。



「あら・・・」



これには夕凪先生も困惑したお顔。



「だから、教師目線だと生徒ってどう写っているのか気になって」


「そうね。まぁでも、恋愛対象になることはないんじゃないかしら?」


「そうなんですか?」


「まぁ私の感性になちゃっうから、あまり参考にならないと思うけれど」


「それでもいいです。教えて下さい」


「まず、私たちから見たら君たちは子供よ。幼いわ。だから恋愛対象になることはない。例え高校を卒業して大学に行って、そこも卒業して社会人になったとしても、高校の幼い時代を知っているから恋愛対象にはならない」



結構ストレートに言いますね。


まぁでも、高校生って18歳以下ですからね・・・。


対する教師は、若くてもその4年以上は年上なわけだ。



「私たちって、そんな子供ですか?」



と、蒼が言う。


それに対して夕凪先生。



「君たちから見て、中学生って子供に見えない? 幼いなぁって」


「まぁ・・・」


「でも、自分が中学生のときって、自分たちのことを幼いって思ったことないでしょ? むしろ、ちょっとだけ大人になれたって思ったりしてなかった?」


「たしかに・・・」


「それと同じよ」



ということは、自分たちが大学に進学すれば、高校生は幼く見える。


社会人になれば、大学生すらも幼く見える。


そう言うことなのだろうか。


でも、俺から見ても中学生は子供に見える。


それは、夕凪先生の言葉が一般的な感性であると証明している。


少なくとも、俺には共感のできることだ。



「なるほど・・・なら、ちょっと安心です」



と、胸をなでおろす蒼。



「叶うといいわね。その恋」


「・・・はい」


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