第222話「今まで通りの誓い」


「どうしたら、帰ろうってなる?」


「私は・・・いま、村上先輩に誓ってほしいです」


「え、俺に・・・なにを?」


「この先、何があっても私のことを見捨てないって」


「見捨てない・・・とは?」



えぇっとつまり、ミステナイ?


それはどういうことなのだろうか。


ずっと友達でいれ・・・みたいな?



「ごめんなさい。分かりにくかったですね」


「大丈夫。でも、ちゃんと説明してほしい」


「セフレでも何でもいい。何でもいいから、村上先輩の傍にいたいんです!」



サラッととんでもない言葉が出てきた気がする。



「えっと、傍にいる? それって、今まで通りってこと?」


「ここ最近の、今まで通り」


「それなら大丈夫じゃない? これからも続ければ」


「迷惑じゃないですか?」


「そんなことないよ」


「私がいると、誤解されたり新しい出会いがなかったりするかもしれないですよ」


「大丈夫だよ」



誤解されたって別に構わない。そもそもそんな話題に至らない。


俺の名前なんて、クラスメイトの眼中にないだろう。


それに、俺ひとりでも新しい出会いなんてない。


あったとしても、男女関係なくせいぜい友達にいければ良い方だ。


俺はそう言う人間。そういう性格。


だからどう転んでも悪い方にはいかない。



「いざという時は、私が一生をかけて責任を取りますから!」


「そんなことしなくていいよ。新しい友達とか、居場所とかできたら、普通に切り捨てていいから」



俺レベルの陰キャ人間だと、普通に踏み台にされるだけというのは分かっている。


入学式から最初のほんのちょっとだけ友達ができて、段々と周りが離れて誰もいなくなる。


そんな存在。


だけど、自分で言葉にすると少し悲しい。



「切り捨てたりしませんよ・・・先輩のこと、一生好きでいられる気がしますから」


「・・・ソッカ」



サラッととんでもない言葉が出てきた気がする・・・。パート2。


これ、スルーしていいのか?


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