第219話「田舎のスーパーマーケット」


雪が降っている田舎町を数キロ歩き、スーパーマーケットへやってきた。


正月という点と、こんな天気という点が相まって、店内はガラガラ。


人がいないというのは非常に快適だ。


将来は田舎に住もうか悩んでしまう。



「どのくらい買うんですか?」



と、疑問を投げてくる蒼。


まぁ重要なことですよね。



「歩きだから、そこまで大量には買えないけど・・・」



もちろん、金銭面的にも・・・。


高校生のお小遣いなんて、たかが知れてるので。



「数日分の食糧って感じかな?」



と、適当な商品を眺めながら言う蒼。


手で持って帰るには妥当なんじゃないかな?



「数日分か・・・まぁそれでいいと思うよ」


「もっと早く帰りたい?」


「そうは言ってないよ」


「そう聞こえた」



そう聞こえちゃったか・・・。


他人からみれば、そう聞こえてしまうということか。


別に早く帰りたいわけではない。


ただ、この環境に依存しすぎない方が良いと思うだけだ。


新学期だってじきに始まる。


近い将来、家に帰らなくちゃいけないことになるはずだ。



「そこら辺は、真剣に考えないといけないことだと思う」


「先輩は、このまま私と暮らすじゃだめ?」


「難しいかな。学校もあるし」


「真面目だね。そんなに学校が好き?」


「好きじゃないよ。でも、出席日数足りなくて退学したら、中卒になっちゃうよ」


「別にいいじゃん」


「良くないよ。ちゃんと将来のことも考えないと」



中卒じゃ、まともな職にも就けない。


生きるために、働くというのは必要なことだ。


そのためには、ある程度の学歴が必要。



「先輩って、意外とそういうこと考えるんですね」


「考えないと、いつか大変なことになる気がして」


「その人生プランに、私を養うってのは入ってますか?」


「ないですね」


「(´・ω・`)」


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