第212話「そこだけは自信がある」


「先輩・・・」


「はい」


「なんで、私からの誘いを断ったんですか?」



なんか、間違いなく面倒くさい質問が飛んできたよ。



「えーっと、断らない方が良かったんですか?」


「どっちでも。でも、先輩ならべつに・・・」



つまり、断っても断らなくてもいいけど、俺なら別に断らなくてもいいよ・・・的な感じか?


なにこいつ、めんどくさいぞ?



「いやまぁ、それなら別にいいじゃないですか」


「いいですけど、先輩ってやっぱヘタレなんですね」


「そうですね」


「なんでそこだけ自信ありげなんですか」



否定するようなところでもないし、実際そうなので言われて傷つくことでもないからね。



「えっと、なんか色々すみません」


「なんで謝るんですか?」


「いやなんか、怒らせたような気がしたから」


「別に怒ってないですよ。ちょっとがっかりしただけです」


「がっかりしたんですね」



それだけ聞くと、ただヤりたいだけの淫乱な女になってしまうが・・・。


蒼って元ヤンだし経験多そうなイメージがある。


経験のない人間からしたら、そんな奴相手にするのはちょっと荷が重すぎる。



「えっとまぁ、何かで埋め合わせしますから」



と、自分でそんなことを言ってしまう。



「ナニでしてくれるんですか?」


「えぇ・・・っと」



まぁ、こうなっちゃうんですよね。


というか、なんで俺が埋め合わせしなきゃいけないんだ?


と、そんな疑問は置いておいて。



「何がいいですか?」



と、質問してみる。



「そうですね。今日は一日ここにいて、今晩ヤッてくれればいいですよ」


「なんでそうなるんですか!?」


「ダメなんですか?」


「そういうのは、好きな人とやってください」


「じゃ、私が先輩のこと好きだったら?」


「そんなことないでしょ?」


「本気ですよ?」


「うーーーーん・・・ソナノ?」


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