第199話「山奥の道の駅」


しばらく走っていると、道の駅に到着した。


田舎道や山道を走っていると、休憩する場所は決まって道の駅になってくるようだ。



「いやぁ、気持ちよかったね」



と、ヘルメットを外した蒼がそう言う。



「俺は死が見えたけど・・・」


「あれぐらいで怖がってどうするのよ」


「一般道で・・・しかもカーブの多い道で出す速度じゃないでしょ」


「そう?」



そうです。



「先輩も慣れれば楽しくなりますよ」


「そんな危ないことに慣れたくないよ」


「あはは」



さて、ここでは昼食をとります。


道の駅の多くには食事をするところがあり、この道の駅も例外ではない。


提供されているのは地元の食材を使ったなにかがほとんど。


蒼いわく、



「山奥にある特産品なんて、大抵は山菜とかその辺よ」



とのこと。


うどん、そば。それからラーメンなどの麺類。


肉・魚を使った定食。カレーなど・・・。


どれもトッピングやサイドメニューなどの違いで様々なレパートリーがある。



「三永瀬さんは何にするんですか?」


「私はいっつもうどん食べてるよ」


「あ、そうなんですか」



蒼が選んだのは山菜うどん。


注文は食券方式。


蒼が早々に選んでしまった影響で、俺もグダグダと選んでいる余裕がなくなる。


早くしないと後ろの人にも迷惑をかけてしまう。


ということで、慌てて選んだのが・・・。



「村上先輩はカレーなんですね」


「あ、はい」


「いいですね。ちょっとわけてください」


「あ、はい・・・」



まぁ食べたかったわけではないけど、食べたいものがあったわけでもない。


だから何でもいいってのが本音だ。


しかし、カレーのくせに700円もするのは少し納得がいかない。


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