第191話「重要なお話」
冬休み。暇だから外に出たのはいいものの、行くところがない。
暇をつぶせそうな場所がない。
ということで、学校の部室に足を運んでみる。
するとそこには、事務作業に追われる岩船先生の姿が・・・。
「少し話がある」
「そ、そうですか」
片付けなきゃいけない仕事があると言っていたのに、なぜかそれを中断してまで話すこと・・・。
「村上、最近どうだ?」
「どうと言われても・・・」
「そうか。村上も何だかんだ厄介事と絡んでるイメージがあるからな」
「否定はしませんけど」
それは岩船先生も同じなのでは・・・?
「悩みはないに越したことはない」
「そうですね。まぁ悩みは色々ありますけど、最近は些細なことです」
「それは何より。三永瀬蒼が最近大人しくなったという話を聞いたが」
「あぁ、それですね。色々ありましたけど、もう大丈夫だと思いますよ」
「大丈夫とは?」
「グルとの関りを絶ったんです」
「それ、信用できるのか?」
信じられないのも無理はない。
しかし、少なくとも俺は信用している。
目の前で・・・いや、壁越しだったか。
蒼は俺を連れて、グルのたまり場へ向かった。
そしてそこで、金輪際関わらないと宣言した。
あんな酷い目にあってまで、それをわざわざ宣言する。
それは、決意というか、誓いというか。
それに近いものを感じた。
だから俺は、彼女の決意を信用している。
「俺は信用してますよ。先生や周りの人からしてみれば、これからの行動で信用を得ていくと思います」
「なら、それに期待するかな」
「そう言えば、先生からの話って・・・」
「あぁ、そうだったな。私はもしかしたら、3月で教師を辞めるかもしれない」
「辞める・・・?」
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