第180話「情報は意外と知っているモノ」


学校近くの公園につくと、そこには三永瀬蒼の姿があった。



「乗りたまえ」



岩船先生の言葉で、蒼は後部座席に着席する。


今日は夜通しの観測となるため、参加は任意。


夕凪先生は夜が弱いらしいので本日は不参加。夕凪先生が来ないのなら・・・ということで、匠馬も不参加。


ということで、今回の参加者は岩船先生と蒼と俺の三人だ。



「村上先輩、もう乗ってたんですね。てっきり公園まで来ると思ってました」


「あぁ。ちょっと先生の手伝いしてて」



そこら辺はちゃんと伝えていなかった。


蒼と俺が公園で岩船先生と合流すると思っていたのなら、少し申し訳なかったかもしれない。



「手伝い?」



と、蒼がそこにつっかかる。



「望遠鏡とか、そういうのの荷物運び」


「なるほどね。パシリじゃん」


「協力してくれてるだけだ」



と、これは岩船先生の発言。


この三人だけの空間になるのは、地味に初めてかもしれない。


何となく、険悪な空気・・・まぁそう感じているのは俺だけかもしれないが・・・。



「岩船先生って、村上先輩と仲いいですよね」


「あくまで教師と生徒だ。彼は1年の頃から天文部にいたから、頼りにさせてもらってるだけだ」


「それにしては、自分の実家に行かせたり、旅行に行ったり」


「それは、俺が行きたいから勝手について行ってるだけだよ」



と、これは俺の発言。


仲裁になるかどうかは不明だが、何も言わないよりかはマシだろって感じで。



「ふーん」



というか、なんで俺が岩船先生の実家に行ったりしてること、蒼が知ってるんだ?


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