第179話「実は知っていた事実」
11月17日。金曜日。
学校が終わると、部活もなく帰宅する。
そして俺は、すぐに岩船先生の家へ向かう。
「すまないな、来てもらって」
「いえ」
「ちょっと手伝ってほしくて」
と、大荷物を見せられる。
今日は久しぶりの天体観測の日だ。
何だかんだで岩船先生も同行することになり、俺はその手伝い。
何を手伝うのかと言えば、まぁ目の前の荷物の輸送係ですよね。
「これ、望遠鏡とかですか?」
「そんな感じだ。まぁ他にもあるぞ」
「そ、そうですか」
何となくだが、岩船先生のテンションが高いような気がする。
パッと見はいつもと変わらない感じだ。
でも、微妙にいつもとは違う感じがする。そんなオーラがする。
テキパキと荷物を車に載せると、岩船先生の運転で待ち合わせしている公園まで向かう。
俺は助手席で先生の隣に座る。
「学校近くの公園です。遊具も何もないところの」
「あそこか」
と、場所を理解してくれたので、案内する必要はなさそう。
「そう言えば、三永瀬さんって天文とか興味あったんですね」
岩船先生は、蒼の本性に気づいている人間だ。
彼女が通称ヤンキーグルの一員であることはかなり有名な話のようで、匠馬もそれは知っている。
おれ個人の勝手な見解だが、星とかそう言うのが好きなのは設定上のはなしというか、キャラを作っている一環で好きということにしているだけだと思っていた。
「三永瀬は星とか普通に好きって話だな。それで平林とも仲が良かったらしいし」
「あ、平林さん・・・」
なるほど、そこで接点があったのか。
ってか、、、。
「岩船先生って、平林さんと三永瀬さんが接点あったこと知ってたんですか?」
「あぁ。平林が自分で話してたぞ」
「あ、あぁ・・・」
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