あの日以降、三永瀬蒼は再び姿を見せなくなった。

今回ばかりは俺にも責任があるというか、原因があると思うので、ちょっと罪悪感。

彼女をどうにかすることはできないのだろうか。

蒼は、本当は良い人だと思っている。

ヤンキーとつるむような人ではない・・・と、そう思っている。

「それで、私に相談か？」

「は、はい。こういうとき、何かと頼れると思ったので」

他言無用と蒼には言われているが、この件を一人で抱え込むのは荷が重すぎる。

とりあえず、信頼のある人に相談がしたかった。

んで、その信頼のおける人というのが、岩船先生だ。

「一応、私は教師の立場なんだがな」

「今回はそれを捨ててお願いしたいです」

「はぁ・・・」

最近、人から呆れられる回数が増えた気がする。

まぁそれは置いといて。

「んでつまり、三永瀬をそのヤンキーグルから遠ざけたいと？」

「はい」

「ちなみにだが、君はそのグルのことをどれだけ知っているんだ？」

「どれだけって・・・」

「何も知らないようだな」

その一言から、岩船先生は丁寧に説明してくれた。

ここいらでヤンキーグルと言えば、もうあれだよな。ってぐらい、それは有名なグループらしい。

特に教師の間では常識中の常識。

生徒間でも、それなりに有名なんだとか。

まぁ俺は知りませんでしたけどね。

「んで、ここからが重要だ」

語彙を強めて、岩船先生はそう言う。

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