第157話「夏の訪問者」


岩船先生の実家で過ごす日々は、1週間も続いた。


その毎日が、なんだかんだで楽しい日々だ。


8月に入る頃には、そんな日々も終わって帰宅。


それからは、自室に引きこもって過ごす日々。


ゲームをして、飯を食って、寝るだけ。


もやはルーチンワーク。


そんな日々が続いたある日。


それは、8月も下旬と言っていいぐらいの時期だ。



「友達が来てるわよ」



自室のドア越しから聞こえる母氏の声。


どうやら、友達がアポなしで家凸してきたようだ。


というか、友達って誰だよ。


そんなことを思いながら、玄関のドアを開ける。



「よう、元気してるか?」



こんなクソ暑い日に、かったるい人間がやってきていた。


暁匠馬。天文部に転がり込んできた陽キャだ。



「あ、えっと、何の用?」


「どうせ暇だろ?」



質問に質問で返さないでほしい。



「暇だけど・・・ってか、なんで俺の家知ってるんだよ」


「夕凪先生に聞いたら教えてくれた」


「どうして教えちゃってるんだよ」



個人情報でしょうが。


あの教師め・・・。



「とりま友彦、行くぞ」


「え、嫌なんだけど」


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