第145話「一番ヤンキーなのは・・・」


岩船先生から、三永瀬蒼の過去について聞かされた。


聞かされたというか、概要だけというか・・・彼女の第三者から見た中学生時代の彼女の印象というか・・・。



「それで岩船先生は、彼女のこと気にかけてたんですか?」


「一応、天文部に入部したわけだし。あと、多分うちの高校の常勤教師は全員このこと知ってるはず」


「あ、そうなんだ」



まぁ情報共有はされますよね。



「んでも、今は大人しいですよね。少なくとも、学校では」


「そうだな。だから幸いって感じかな」


「あれってやっぱり、キャラ作ってるんですかね」



三永瀬蒼の印象といったら、身長が小さく大人しい、物静かな感じ。


何だろうか、とてもヤンキーだの荒れてた奴だの・・・想像もつかない。



「私も中学時代の三永瀬を知ってるわけじゃないからな。話を聞く限りだと、作ってそうな感じはするが」


「高校に入るのと同時に、気持ちを入れ替えたってこと・・・?」


「だといいけどな」


「まぁそうですね」



俺としても、陽キャは苦手だ。


最近天文部に入部してきた暁匠馬がまさにそのタイプだが、実に居心地が悪い。


これで蒼までもギャルと化したら、もう死んでしまいます。



「そういや岩船先生は、三永瀬さんと接点ありませんよね?」


「天文部の顧問として」


「あれ、夕凪先生が顧問なんじゃないんですか?」


「あれはあくまで代理だ。。仕事だけ全部押し付けてる」


「えぇ・・・」



それでよく夕凪先生は承諾してくれましたね。


一番ヤンキーなのは、岩船先生なのかもしれない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る